不整脈

BRIDGE試験のCORRESPONDENCE 心房細動に対する周術期のヘパリンブリッジ

Bridging Anticoagulation in Patients with Atrial Fibrillation
N Engl J Med 2016; 374:90-94

TO THE EDITOR
・無症候性脳梗塞については評価しておらず、それらは認知機能低下や精神障害につながる可能性がある。

・BRIDGE試験の対象は、CHADS2スコアの平均値は2.3と低かった。また、CHADS2スコア5と6の塞栓症のハイリスク患者は3%しかおらず、それらの患者の塞栓症の発症率は12−18%と出血リスクを上回っているため、ヘパリンブリッジが有益かもしれない。

・BRIDGE試験で行なわれている処置/手術は上部消化管内視鏡など出血リスクが低いもので、それらの処置はワルファリンを継続して行うことでコンセンサスが得られている。CHADS2スコアが高く、出血リスクも高い患者のデータが不足している。

・スクリーニングの過程で、主治医の判断によって544例が除外されている。それについてのさらなる情報が必要である。

・実臨床では、HAS−BLEDなどの出血予測スコアと実際の出血イベントの関連について情報が役立つだろう。

・非劣性マージンを相対リスクではなく、絶対リスクで1%と設定している。ブリッジ群での主要評価項目の発生は0.3%だったので、4.3倍(1.3%)の出血リスクを許容することになる。

THE AUTHORS REPLY
・無症候性脳梗塞を診断するためには、コストがかかり試験デザインの複雑性が増す。さらに、周術期の無症候性脳梗塞の発生率や臨床的意義については明らかではない。

・CHADS2スコアが5−6のもの3%しか含まれていないが、それらの塞栓症のハイリスク患者は実臨床でもまれである。

・主治医の判断によって除外された544例は、除外された症例の12%に過ぎない。

・周術期の出血イベントの予測因子や、HAS−BLEDなどの出血予測スコアの有効性について、現在検証中である。

・稀なイベントに対し相対リスクを使用することは、潜在的に問題がある。

◯感想
BRIDGE試験の対象となった症例には、CHADS2スコアが高い症例は多く含まれていない点には、やはり注意すべきだろう。むしろ、塞栓リスクが低い症例を対象としていたため、非劣性を証明できたのかもしれない。

CHADS2スコアが高い患者に関しては、ヘパリンブリッジが不要とは言えないし、有益(塞栓症リスクが出血リスクを上回る)である可能性もある。しかし、ヘパリンは出血を増やしてしまう可能性があるので(未分画ヘパリンならなおさら)、ヘパリンブリッジを行うかどうかは、出血リスクも考慮しなければならない。

そして、周術期の出血イベントの予測には、どのようなスコアを用いることが適切なのか現時点では明らかでなく、今後の検証が待たれる。