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コルヒチンは冠動脈疾患患者の心筋梗塞の予防に有効 LoDoCo試験

Low-dose colchicine for secondary prevention of cardiovascular disease.
J Am Coll Cardiol. 2013;61(4):404-10

○この論文のPICOはなにか
P:冠動脈疾患患者
I:通常の治療に加え、コルヒチン0.5mg/日の内服(コルヒチン群)
C:通常の治療(通常治療群)
O:急性冠症候群(ACS)、院外心停止、非心原性脳梗塞の複合エンドポイント

Inclution criteria:CAGで冠動脈病変を確認、35−85歳、少なくとも6ヶ月間は臨床的に安定していること、重大な併存疾患がないこと、コルヒチンが禁忌でないこと、CABG患者は10年以上前に手術が施行されていてグラフト不全が確認されているかCABG後にPCIが行われていること

定義
・ACSとは以下のいずれかである。
1)急性心筋梗塞(正常上限以上にトロポニンが上昇しており、胸痛があること)
2)不安定狭心症(再発増悪する狭心症状とトロポニンの上昇) Braunwold分類:ⅠBとⅡB

・ステント関連ACS
有意なステント内再狭窄もしくはステント血栓症

・非心原性脳梗塞
CTもしくはMRIにて、心原性でないことや出血でないことを神経内科医が診断する

○baselineは同等か
平均年齢は60歳代半ば、男性が9割、糖尿病が3割、喫煙者が5%ほど。AMIや不安定狭心症(UA)の既往が3割、2割でCABGが、6割でPTCAが施行されている。アスピリン・クロピドグレルのいずれかもしくは両方内服している患者は9割ちょっと。スタチンは95%が、ACE阻害薬は6割が内服している。これらには群間差はなかった。群間差があったのは、カルシウム拮抗薬とβ遮断薬の内服率でコルヒチン群で、β遮断薬の内服率が低く、カルシウム拮抗薬の内服率が高かった。

○ラムダム化されているか
コンピュータによる割付が行われ、隠匿化もされている。

○盲検化されているか
PEOBE試験であり、患者と治療介入者は盲検化されていない。
outcome評価者は盲検化されている。

○症例数は十分か
2年間のフォローアップで、通常治療群で8%のprimary endpointの発生があると仮定し、αlevel5%、power80%と設定し、必要症例数は250例ずつとなっている。コルヒチン群282例、通常治療群250例と必要症例数は満たしているが、コルヒチン群で若干多い。

○すべての患者の転帰が解析に含められているか
通常治療群ではロストフォローアップはない。コルヒチン群で、消化器系の副作用のため早期の中止が32例、内服開始前の同意の撤回が7例、晩期の内服中止が30例あった。結果は、ITT解析されている。

○結果
フォロアップ期間の中央値は36ヶ月。
primary endpointの発生は、コルヒチン群で5.3%(15例)、通常治療群で16%(40例)と有意にコルヒチン群でprimary endpointが抑えられていた(HR:0.33、95%CI:0.18−0.59)。

ACSに関しては、ステント関連はコルヒチン群1.4%(4例)、通常治療群1.6%(4例)と有意差なし。

ステント非関連ACSのうち、AMIでもコルヒチン群1.6%(4例)、通常治療群5.6%(14例)と、有意にAMIの発症を抑えている(HR:0.25、95%CI:0.08−0.76)。

院外心停止と非心原性脳梗塞には有意差はなかった。

○批判的吟味/感想
・PROBE試験だが、outcomeの評価を盲検化された者が行っている。
・ITT解析が行われている
・primary endpointで有意差がついている。院外心停止・非心原性脳梗塞では有意差は出ていないが、ACSを有意に抑制している。
・ACSのうち、AMI・UAをそれぞれ有意に抑制している。AMIはハードエンドポイントであり、UAもBraunwold分類で定義され、かつトロポニン上昇を要件としているため、ソフトなエンドポイントではない。
・Hazard ratio:0.33と驚異的な値。ステント非関連AMIに限るとHR:0.25。
・NNT=1/絶対リスク減少=1/(0.056−0.016)=25
・ステント関連ACSは両群間で有意差がなく、neoatherosclerosisは抑えられないかもしれない。

副作用により内服が継続できなかった例が20%ほどあるが、内服が続けられるならコルヒチンは心筋梗塞予防に有効である。