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初回の静脈血栓塞栓症 ワーファリンの内服期間 DURAC試験

1995年にpublishされた論文。

A comparison of six weeks with six months of oral anticoagulant therapy after a first episode of venous thromboembolism
N Engl J Med. 1995 Jun 22;332(25):1661-5.

〇この論文のPICOはなにか
P:初回の静脈血栓塞栓症(VTE)を発症した患者
I:抗凝固療法(ワーファリンもしくはジクマロール)を6ヶ月行う(6ヶ月群)
C:抗凝固療法を6週間行う(6週間群)
O:2年間の大出血、死亡、VTE再発の複合エンドポイント

肺血栓塞栓症(PE)の診断は血管造影と肺換気血流シンチのいずれかで、深部静脈血栓症(DVT)の診断は静脈造影で行う。抗凝固療法はワーファリンもしくはジクマロールを用いており、目標のPT-INRは2.0-2.85である。

Exclusion criteria:妊娠、ワーファリンやジクマロールに対するアレルギー、抗凝固療法が必要な症例(人工弁、慢性心房細動など)、下肢麻痺、弾性ストッキングが禁忌、VTE再発症例、静脈潰瘍、悪性腫瘍、プロテインC欠損症・プロテインS欠損症

〇baselineは同等か
血栓溶解療法を受けた割合は6週間群で少ないが、ほかは同等。年齢は60歳ぐらいで、男性は半分、PEの症例が1割強で残りはDVTである。TTRが75%以上のものは60%程度であった。

〇ランダム化されているか
退院時に登録され、ランダム化される。コンピュータによる中央割付方式。

〇症例数は十分か
記載なし。

〇盲検化されているか
オープンラベルの試験であり、患者・治療介入者ともに盲検化されていない。
Outcome評価者(VTE)の評価に関しては独立した放射線科医が行っている。
解析者については記載なし。

〇すべての患者の転帰がoutcomeに反映されているか
ITT解析。5%のlost follow-upあり。

〇結果
大出血(6ヶ月群vs6週間群:1.1%vs0.2%、P=0.23)、死亡(3.7%vs5.0%、P=0.46)と有意差はみられなかったが、VTEの再発は10.8%vs20.3%と有意に6ヶ月群で少なかった。また、抗凝固療法を中止した6-24ヶ月では、8.1vs7.9%とほとんど変わらず、差は縮まらなかった。