外科的治療困難な高度大動脈弁狭窄症に対するTAVI(PARTNER試験)

Transcatheter aortic-valve implantation for aortic stenosis in patients who cannot undergo surgery
N Engl J Med. 2010;363:1597-607

〇この論文のPICOはなにか
P:外科的治療困難な有症候性の高度大動脈弁狭窄症(severeAS)
I:TAVI
C:標準治療(BAVを含む)
O:全死亡

severeASの定義:弁口面積0.8cm2以下、大動脈弁圧較差40mmHg以上、大動脈弁口部の血流速度4.0m/分

Exclusion Criteria:二尖弁、非石灰化、急性心筋梗塞、血行再建を要する重大な冠動脈疾患、LVDF<20%、大動脈弁輪18mm以下及び25mm以上、severeMR/AR、僧帽弁置換術後、6ヶ月以内のTIA及び脳梗塞、腎不全 〇ランダム割付されているか コンピュータによる割付。 〇baselineは同等か 年齢は83歳ぐらいと高齢で、8割が男性。STSscoreは11とこれも高め。NYHAⅢ-Ⅳが9割、大動脈弁口面積0.6cm2、平均圧較差44mmHgと重症の方で、LVEF50%とそこそこ保たれている。2割でmoderate to severe MRを合併している。そのほか、心筋梗塞の既往、CABG・PCI・BAV、脳血管障害、末梢血管障害、COPD、心房細動など同等であるが、大動脈の広範囲な石灰化や心房細動は標準治療群で有意に多い。 〇症例数は十分か 1年後の全死亡が標準治療群では37.5%、TAVI群では25%と仮定し、power0.85、αlevel0.05で必要症例数は350例と算出されており、358例(TAVI群179例、標準治療群179例)ランダマイズされている。 〇すべての患者の転帰がoutcomeに反映されているか ITT解析されている(ランダマイズされた358例すべて)。 〇結果の評価 TAVI群に割付された179例のうち、TAVIを施行しなかった症例は6例(TAVI施行前の死亡2例、大腿動脈のアクセス不成功2例、大動脈弁口が大きすぎる症例が2例)。TAVI施行後24時間以内の死亡が2例、大きな脳梗塞が3例、弁塞栓(valve embolization)が1例、2つ以上の弁留置が2例であった。 TAVI群では、30日以内の死亡は11例であった。標準治療群では5例。 primary endpointである1年生存率であるが、TAVI群55例(30.7%)、標準治療群89例(49.7%)と有意にTAVI群で生存率がよく、NNT(number needed to treat)は5であった。ちなみに、標準治療群では83.8%にBAVが施行されている。

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