ビタミンDと心血管疾患・悪性腫瘍

前回記事にしたn-3脂肪酸の心血管イベント・悪性腫瘍への効果を検証したRCTは、2×2 factorial designで、ビタミンD製剤についても同様にその効果が調べられています。

N-3脂肪酸と心血管疾患・悪性腫瘍

日照時間が長い地域は短い地域より、心血管疾患や悪性腫瘍が少ないという報告だとか、血清25ヒドロキシビタミンDの低値と、心血管疾患・悪性腫瘍の増加に関連があるといった報告があるようです。

ただ、ビタミンDを補充することが、心血管疾患や悪性腫瘍の抑制に繋がるかどうかは定かではありません。

【PICO】
P:心血管疾患・癌の既往のない患者
I:コレカルシフェロール2000IU内服
C:プラセボ内服
O:心筋梗塞+脳梗塞+心血管死+浸潤性悪性腫瘍

【結果】

年齢、性別、血清25ヒドロキシビタミンD濃度などすべてのサブグループで有意差はありませんでした。

【まとめと感想】
ビタミンDの内服は、心血管疾患や悪性腫瘍の抑制には繋がりませんでした。

ビタミンDと心血管疾患・悪性腫瘍についてはよく知りませんが、こういうことはよくあると思います。たとえば、高尿酸血症は心血管疾患のリスクになりますが、フェブキソスタットで尿酸を抑えても、心血管疾患の抑制には繋がりませんし、潜在性甲状腺機能低下症も心血管疾患のリスクになりますが、チラーヂン®︎を内服しても心血管疾患の抑制には繋がりません。

血清25ヒドロキシビタミンD濃度の低値と心血管疾患の増加には関連があるようですが、ビタミンDを補ってもイベントは減らない。理屈としては正しそうに見えますが、話はそう簡単ではないようです。