n-3脂肪酸と心血管疾患・悪性腫瘍

昨日に引き続いて、n-3脂肪酸の論文。心血管イベントと悪性腫瘍がアウトカム。

結論から言うと、やはり高容量のEPAでないと効果はないようです。著者もdiscussionの中でコクランなどのメタ解析を引用して、n-3脂肪酸のサプリメントには心血管疾患一次予防・二次予防に効果はほとんどないと言っています。

では、なぜNEJMに載ったのでしょう。よくわかりません。

Marine n−3 Fatty Acids and Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer
N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):23-32.

【PICO】
P:心血管疾患・癌の既往のない患者
I:n−3脂肪酸(EPA460mg+DHA380mg)内服
C:プラセボ内服
O:心筋梗塞+脳梗塞+心血管死+浸潤性悪性腫瘍

inclusion criteria:男性50歳以上、女性55歳以上

【試験の概要】
デザイン:RCT(double blind)
地域:アメリカ
登録期間:2011年11月〜2014年3月
観察期間:5.3年(3.8−6.1年)
症例数:25871例(n-3脂肪酸群12933例、プラセボ群12938例)
解析:ITT解析
スポンサー:企業の関与なし

【患者背景】
同等。
ざっくりと。平均年齢67歳、男女半々、白人70%、黒人20%、アジア人1%、アドヒアランス81%。糖尿病13%。

【結果】

primary endpoint:心筋梗塞+脳梗塞+心血管死+浸潤性悪性腫瘍

年齢、性別、人種、糖尿病や高血圧の有無、アスピリンやスタチンの有無など、どのサブグループでも有意差なく、一貫してn-3脂肪酸の効果は見られない。

【感想・まとめ】
心筋梗塞で有意差が付いている。145例と200例。確かに差は大きく見えますが、パーセンテージで表すと1.12%と1.55%。

とても有意差とは思えない、少なくとも臨床的には。