心房細動への房室結節アブレーションとCRT

narrowQRSの心房細動では、ジャン切り(房室結節アブレーション)して普通のペースメーカを入れると、薬物療法単独よりも症状はよくなるけど、心不全入院とか生存率は改善しない。50%の患者で右室ペーシングによる左室非同期が起こるためと思われる。

では、ジャン切りしてCRTに乗せちゃうとどうなのか。

A randomized controlled trial of atrioventricular junction ablation and cardiac resynchronization therapy in patients with permanent atrial fibrillation and narrow QRS
Eur Heart J. 2018 Dec 1;39(45):3999-4008.

【PICO】
P:症候性慢性心房細動+narrowQRSで1年以内に心不全入院歴あり
I:房室結節アブレーション(ABL)+CRT
C:薬物療法
O:心不全死+心不全入院+心不全の悪化

CRTの設定は主治医に一任。
薬物療法では安静時心拍数110/min未満が目標。

exclusion criteria:NYHAⅣ度、SBP≦80mmHgなど

【試験の概要】
デザイン:RCT(オープンラベル)
地域:ヨーロッパ 10施設
登録期間:2014年10月〜
観察期間:16ヶ月(中央値)
症例数:102例
解析:mITT解析
スポンサー:企業の関与あり(Boston Scientific社)

【患者背景】
ジゴキシンのみABL+CRT群36%、薬物療法群58%と差あり。
ざっくりと。年齢71歳、男女半々、AFの期間1−1.5年、2/3がHYNAⅢ度、HR100/min、QRS97ms、LVDd59mm、LVDs44mm、EF40%、冠動脈疾患30%、β遮断薬84%、ACE阻害薬・ARB60%、抗アルドステロン薬50%。

【結果】
ABL+CRT群 vs 薬物療法群
▶︎心不全死+心不全入院+心不全の悪化
20% vs 38% HR:0.38(95%CI:0.18−0.81)

▶︎心不全死
1例 vs 2例

▶︎全死亡
4%(2例)vs 12%(6例)HR:0.30(95%CI:0.06−1.50)

▶︎心不全入院
10% vs 25% HR:0.30(95%CI:0.11−0.84)

▶︎心不全の悪化
10% vs 15% HR:0.55(95%CI:0.18−1.68)

サブグループ解析では、EF35%以下、SP120mmHg未満、SSSスコア(自覚症状のスコア)32以上で有意差あり。

【まとめと感想】
ジャン切り+CRTは薬物療法より心不全入院を減らす。EF35%以下だとなお良し。もしかしたら、生命予後も変わってくるかもしれないという期待はあります。でかい規模のRCTが進行中のようです。

お高い治療ですが、これで心不全入院が防げて、結果的に医療費の削減になればいいのですが。