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心血管疾患がある痛風患者ではフェブキソスタットよりアロプリノール

Cardiovascular Safety of Febuxostat or Allopurinol in Patients with Gout.
N Engl J Med. 2018;378(13):1200-1210.

【PICO】
P:痛風+心血管疾患で尿酸≧7.0mg/dl(もしくは、尿酸≧6.0mg/dlで痛風のコントロール不良)
I:フェブキソスタット
C:アロプリノール
O:心血管死、心筋梗塞、脳梗塞、不安定狭心症による緊急血行再建

心血管疾患:心筋梗塞、不安定狭心症による入院、脳梗塞、TIAによる入院、PAD、微小血管障害もしくは大血管障害を有する糖尿病

【試験の概要】
デザイン:RCT(多施設、二重盲検、非劣性)
地域:北米
登録期間:2010年4月〜2017年5月
観察期間:32ヶ月(中央値)
症例数:6190例(フェブキソスタット群:6098例、アロプリノール群:3092例)
解析:mITT解析(いずれの薬剤も内服しなかった8例を除外)
スポンサー:企業の関与あり(Takeda Pharmaceuticals)。試験デザイン・データ収集・解析まで。

【患者背景】
年齢65歳、男性84%、痛風罹患歴11年、白人70%・黒人18%・アジア人3%、OMI40%、CKDはstage1+2とsatage3が半々

【結果】
フェブキソスタット群vsアロプリノール群
primary endpoint
10.8% vs 10.4%、HR:1.03(95%CI:0.87-1.23)

中身をみると、心筋梗塞・脳梗塞・TIAには差がないが
心血管死
4.3% vs 3.2%、HR:1.34(95%CI:1.03−1.73)

全死亡
7.8% vs 6.4%、HR:1.22(95%CI:1.02−1.47)

感度分析(割り付けられた治療薬内服中+中断30日後までを解析に含める)では、全死亡で差がなくなるが、心血管死のみ差が残る。
心血管死
2.0% vs 1.3%、HR:1.49(95%CI:1.01−2.22)

【まとめと感想】
心血管疾患の既往がある痛風患者では、フェブキソスタットとアロプリノールで、心筋梗塞や脳梗塞の発症に差はないが、心血管死・全死亡がフェブキソスタットで有意に多かった。ただ、これは、心血管イベントがアロプリノールによって抑えられたのが、フェブキソスタットによって増えてしまったのかはわからない。

心筋梗塞に痛風を合併している症例はあまりお目にかからないが、無症候性高尿酸血症に使うとしても、アロプリノールがベターか。