PCSK9阻害薬エボロクマブの費用対効果

Updated Cost-effectiveness Analysis of PCSK9 Inhibitors Based on the Results of the FOURIER Trial
JAMA. 2017 Aug 22;318(8):748-750

2005−2012年のNational Health and Nutrition Examination Surveys(NHANES)で、FOURIER試験のクライテリア(動脈硬化性冠動脈疾患を有する米国の成人40-80歳、スタチン内服下でLDL-C ≥70 mg/dL)を満たす症例に、PCSK9阻害薬エボロクマブを使用すると仮定して、その費用対効果について検証。

890万人がFOURIER試験のクライテリアを満たし、平均年齢は66歳、平均LDLコレステロール104mg/dl、33%で糖尿病あり。

スタチンへのPCSK9阻害薬の追加はエゼチミブの追加より、MACEを289万3500減少させる。ICERは45万ドル。

ICERとは、Wikipediaによると・・・

1QALYを伸ばすために要するコストを incremental cost-effectiveness ratio(ICER)と呼び、多くの場合、この値が医療行為の是非の基準となる。

ということらしい。

QALY(quality adjusted life years)は質調整生存年で、クオーリーと読むらしい。

経済評価を行う際に、評価するプログラムの結果の指標として用いられる。単純に生存期間の延長を論じるのではなく、生活の質(QOL)を表す効用値で重み付けしたものである。QALYを評価指標とすれば、生存期間(量的利益)と生活の質(質的利益)の両方を同時に評価できる。効用値(utility)は完全な健康を1、死亡を0とした上で種々の健康状態をその間の値として計測される。たとえばAという治療をうけた場合、5年間生存期間が延長すると仮定し、その後の効用値0.8とすると、QALYは5(年)×0.8=4(QALY)となる。
http://canscreen.ncc.go.jp/yougo/08.htmlより引用


(本文から引用)

FOURIER試験では、エボロクマブにより心筋梗塞が有意に減少した。それにより、1094億7800万ドルの医療費削減が見込めるが、それは非心血管ケアによって相殺され、かつ、2兆4856億8400万ドルという莫大な薬剤費がかかることになる。

薬価を71%下げないと、費用に見合った効果がないと結論づけている。

日本だと最低でも薬価の70%は税金で賄う必要があるわけだから、まあこれを使って一番恩恵を受けるのはメーカーだろうな。