心不全

来院からフロセミド静注までの時間の短縮が、心不全の院内死亡率を改善する

ime-to-Furosemide Treatment and Mortality in Patients Hospitalized With Acute Heart Failure
J Am Coll Cardiol. 2017;69(25):3042–3051

◇この論文のPECOは?
P:急性心不全
E:D2Ftime60分未満(early群)
C:D2Ftime60分以上(non-early群)
O:院内死亡率

D2Ftime:病院到着からフロセミド静注までの時間

組み入れ基準:病院到着から3時間以内に急性心不全の診断がついた患者、24時間以内にフロセミドが静注されていること
除外基準:透析、AMIなど

<デザイン、セッティング>
・前向きコホート研究
・2014年8月〜2015年12月
・1291例(early群:481例、non-early群:810例)
・ロジスティック回帰

<患者背景>

(本文から引用)
early群の方が、救急車利用、うっ血の症候(下腿浮腫、頸静脈怒張など)が多く、D2Ftimeが短縮しそうな要因がある。心房細動はnon-earlyで多い。EF、腎機能、Nohria-Stevenson分類に群間差はない。

<結果>

(本文から引用)
60分未満のフロミセミドの静注により院内死亡率は低下。


(本文から引用)
100分ぐらいのところにひとつピークがある。

◇感想
急性心不全患者で、来院から60分以内にフロセミドを静注できた群は、それよりも時間がかかった群に比べて院内死亡率が低い。

Figure3をみると100分ぐらいのところにピークがあって、右肩上がりになっていない。左側の山の群と右側のなだらかな右肩上がりの群は、そもそも患者の質が違うんじゃないかな。characteristicsをみてもはっきりとはわからないけど、なんかそんな気がする。だから、いくら交絡を調整しても、そもそも母集団が違っているから比較ができないんじゃないかな。

ただ、100分以内でみると時間経過とともに院内死亡率が上昇しているので、早く心不全と診断してフロセミドを静注することは良いアウトカムに繋がりそうではある。まあ、迅速かつ的確な診断と早期の治療開始が重要ということで。