心不全

心機能が保たれたDCMでも、心臓MRIで遅延造影があると予後は悪い

ssociation Between Midwall Late Gadolinium Enhancement and Sudden Cardiac Death in Patients With Dilated Cardiomyopathy and Mild and Moderate Left Ventricular Systolic Dysfunction
Circulation. 2017;135:2106-2115

◇この論文のPECOは?
P:LVEF≧40%のDCM
E/C:MRIでの遅延造影の有無
O:心臓突然死(SCD)、蘇生したSCD

<デザイン、セッティング>
・前向き
・399例
・観察期間:4.6年(中央値)
・比例ハザードモデル

<患者背景>

(本文から引用)

<結果>

(本文から引用)

◇感想
心臓MRIでガドリニウムによる遅延造影(LGE:late gadolinium enhancement)は、予後の悪化と関連がある(Circulation 2009;120:2069-2076)。DCMでは、約30%でLGEがあると言われている。

EF35%以下の虚血性心筋症では、ICDにより死亡率が有意に改善することが示されている(NEJM2002;346:877−883)。しかし、非虚血を対象としたDANISH試験ではSCDは減らしたが、全死亡に差はなかった(NEJM2016;375:1221-1230)。

EF40%以上のDCMで、LGEを認める症例では、SCDまたはそれと同程度のイベントが9倍に上昇する。これらの症例に対しICDを植えこむことで生命予後が改善するかどうかは、今後のRCTが待たれる。