非スタチン療法のガイドライン(ACC)要約

Role of Nonstatin Therapies for Low-Density Lipoprotein Cholesterol Lowering in Management of Atherosclerotic Cardiovascular Disease Risk
JAMA Cardiol. 2016 Nov 30. [Epub ahead of print]

これは、ACCの動脈硬化性心血管疾患に対する非スタチン療法のレコメンデーションです。以下の4つのグループでは、もちろん最大量のスタチンの投与が推奨されており、以下の非スタチン療法を考慮する前に、スタチンのアドヒアランスを向上させたり、生活習慣に介入したり、他のリスクを是正したり、ということが推奨されています。

それにしても、エゼチミブのエビデンスといえばIMPROVE-IT試験しかなく、それなのにエゼチミブが推されすぎている感があります。

IMPROVE-IT試験の結果は微妙で、一番大きな疑問は対照に普通のスタチンを使用していることで、有意に心血管イベント(心血管死から不安定狭心症までいろんなエンドポイントの複合)を減らしたといっても、34%から32%に約2%低下させたにすぎず、Nが大きいために出た結果だと思います。

日本人だと、スタチンを使ってLDLコレステロールが下がらない人はそういないと思うので、このガイドラインが推奨するようにエゼチミブが必要になる人は多くないでしょう。家族性高コレステロール血症ではエゼチミブやPCSK9阻害薬の出番はあるかもしれませんが、スタチンの最大量投与が前提で、適応は慎重に考えたいものです。

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1.安定した動脈硬化性心血管疾患(二次予防)
スタチン使用下でLDLコレステロールの少なくとも50%の減少が達成できていなければ、まずエゼチミブを考慮すべきである。それでも目標を達成できない場合には、エゼチミブにPCSK9阻害薬を変更、または追加することは妥当である。動脈硬化性心血管疾患で、かつハイリスクの患者は、上記の治療でLDLコレステロールを少なくとも50%減少させ、70mg/dl未満にすべきである。

2.LDLコレステロールが190mg/dl以上(一次予防)
LDLコレステロールを50%減少(LDLコレステロール100mg/dl未満)させることが推奨され、付加的なLDLコレステロール低下には、まずエゼチミブまたはPCSK9阻害薬を考慮する。脂質の専門医と栄養士に紹介することが望ましく、特に家族性高コレステロール血症のホモ接合体またはベースラインのLDLコレステロールが250mg/dl以上の場合で推奨される。

3.40−75歳の糖尿病(一次予防)
LDLコレステロールの50%の減少(LDLコレステロール100mg/dl未満、またはnonHDLコレステロール130mg/dl未満)が推奨される。この患者群では、PCSK9阻害薬の使用は推奨されず、エゼチミブが第一選択である。中性脂肪が300mg/dl未満のエゼチミブ禁忌症例ではレジンが推奨される。

4.40−75歳で、10年間のCVDイベントが7.5%以下(一次予防、糖尿病なし)
LDLコレステロール100mg/dl以上、あるいはハイリスク症例で、中等度の強度のスタチンで治療しているなら、スタチンの強度を上げることが推奨される。目標が達成できないなら、エゼチミブを考慮する。PCSK9阻害薬は推奨されない。