左冠動脈主幹部の急性心筋梗塞 心電図診断

Prediction of acute left main coronary artery obstruction by 12-lead electrocardiography. ST segment elevation in lead aVR with less ST segment elevation in lead V(1).
J Am Coll Cardiol. 2001 Nov 1;38(5):1348-54.

《要約》
目的
左冠動脈主幹部閉塞の心電図的特徴を特定すること。

背景
左冠動脈主幹部閉塞は重大な血行動態の悪化を招き、予後不良である。そのため、左冠動脈主幹部閉塞の予測は適切な治療戦略を選択する上で重要である。

方法
左冠動脈主幹部の急性閉塞の連続16例(LMCA群)、左冠動脈前下行枝の急性閉塞46例(LAD群)、右冠動脈の急性閉塞24例(RCA群)の入院時心電図を調べた。

結果
aVR誘導でのST上昇(>0.05mV)は、LAD群やRCA群よりLMCA群で有意に多かった(LMCA88%、LAD43%、RCA8%)。aVR誘導でのST上昇は、LAD群よりLMCA群で有意に高かった(LMCA群0.16±0.13mV、LAD群0.04±0.10mV)。V1誘導でのST上昇は、LAD群よりLMCA群で有意に低かった(LMCA群0.00±0.21mV、LAD群0.14±0.11mV)。aVR誘導のST上昇がV1誘導のST上昇より大きい、もしくは同等の場合、感度81%、特異度80%でLMCA群と診断できる。aVR誘導と家壁誘導のST変化でLMCA群とRCA群を区別できる。左冠動脈主幹部の急性閉塞では、aVR誘導でのST上昇が高い群では、ST上昇が高くない群と比較し、死亡率が高い。

結論
V1誘導のST上昇が小さく、aVR誘導でST上昇していることは、左冠動脈主幹部閉塞である重要な予測因子である。左冠動脈主幹部の急性閉塞では、aVR誘導のST上昇は臨床的なアウトカムの予測因子でもある。

AがLMCA、BがLAD、CがRCA
ecg
aVRでST上昇があって、V1では上がっていない。

figure
V1だけではわからないので、aVRのST上昇と合わせて判断する。