EMPA-REG試験心不全サブ解析 ハイリスク2型糖尿病に対するエンパグリフロジンの効果

Heart failure outcomes with empagliflozin in patients with type 2 diabetes at high cardiovascular risk: results of the EMPA-REG OUTCOME® trial.
Eur Heart J. 2016 Jan 26.[Epub ahead of print]

《要約》
背景
ハイリスクの2型糖尿病患者に対し、標準的治療へエンパグリフロジンすることにより3point MACE(心血管及び全死亡、心不全による入院)が減少したことを、以前報告した。baselineでの心不全の有無を含め、全患者とサブグループで心不全について、さらなる調査を行った。

方法・結果
患者は、エンパグリフロジン10mg、25mg、プラセボに割り付けられた。7020例が登録され、706例(10.1%)がbaselineで心不全を有していた。心不全による入院と心血管死は、エンパグリフロジン群265/4687例(5.7%)、プラセボ群198/2333例(8.5%)とエンパグリフロジン群で有意に低かった(HR0.66、95%CI:0.55−0.79)。3年間の心不全による入院と心血管死のNNTは35であった。baselineの心不全の有無によらず、また糖尿病・心不全に対する治療によらず、エンパグリフロジンの一貫した効果を認めた。エンパグリフロジンは、心不全による入院や心不全死を減少させ(2.8% vs 4.5%, HR0.61, 95%CI:0.47-0.79)、全入院を減少させた(36.8% vs 39.6%, HR0.89, 95%CI:0.82-0.96)。重大なものを含めた有害事象は、心不全を有していた群で多く見られたが、エンパグリフロジン群とプラセボ群では差は認めなかった。

結論
エンパグリフロジンは、ハイリスクの2型糖尿病患者においてbaselineの心不全の有無によらず、心不全による入院と心血管死を減少させた。

◯この論文のPICOはなにか
P:心血管疾患を有する2型糖尿病患者
I:エンパグリフロジン(10mgもしくは25mg)の内服
C:プラセボの内服
O:心臓死、非致死的心筋梗塞(無症候性心筋梗塞を除く)、非致死的脳梗塞の複合エンドポイント

inclusion criteria:18歳以上、BMI45以下、eGFR>30ml/min/1.73m2、心血管疾患(2ヶ月以上前の心筋梗塞の既往、CAGまたはMDCTで証明された2枝以上または左冠動脈主幹部の狭窄、2ヶ月以上前のPCI/CABGの既往、2ヶ月以上前の脳梗塞の既往、末梢血管へのstentingやbypassなどの閉塞性動脈硬化症)と診断がついていて血糖降下薬を使用せずにHbA1c7.0−9.0%、もしくは血糖降下薬内服下で7.0−10.0%

study procedure:2週間のrun-in periodの後、ランダム化が行われる。エンパグリフロジン10mg、エンパグリフロジン25mg、プラセボの3群に1:1:1に分ける。ランダム化後12週間は糖尿病治療の薬剤を変更しない。その後は、それぞれの地域のガイドラインに基づいて変更可能。脂質異常症や高血圧症などそれぞれの国のガイドラインに基づいて最良な治療を行う。

◯結果
地域:42カ国、590施設
登録期間:2010年9月〜2013年4月
観察期間:3.1年(中央値)
無作為化:コンピュータによって生成された乱数を用いる。層別化(HbA1c、BMI、腎機能、地域)を行う。
盲検化:double blind。outcome評価者と解析者は独立した機関が行っている。
必要症例数:非劣性の証明には691イベント(αlevel:0.0498, power90%、非劣性マージン1.3)の発生が必要とされているが、必要症例数については記載なし。
症例数:7020例(エンパグリフロジン10mg:2345例、25mg:2342例、プラセボ:2333例)
解析:Cox比例ハザードモデル(primary endpointはmITT解析)
スポンサー:べーリンガーインゲルハイム、イーライリリー

result
subgroup
haert failure

◯感想/批判的吟味
・baselineの心不全の定義は、心機能やBNPの測定はされておらず、治療介入者の判断である。
・全患者を対象とした解析結果と異なり、baselineで心不全があった群では、心不全入院や心血管死の減少に有意差はない。(baselineで心不全があった症例数は少ないために有意差がでなかった可能性はあるが、authorはbaselineの心不全の有無に関わらずエンパグリフロジンが有効であると結論づけている)。
・観察期間の中央値は約3年のため、症例数は急激に少なくなる。カプランマイヤー曲線では36ヶ月以降のプラセボ群で急速にイベント発生率が上昇しており、この部分の正確性には欠けるのではないか(試験開始早期からプラセボ群とエンパグリフロジン群の差は現れているため、時間経過とともに差は開く事が予想することはできる)。
・エンパグリフロジン固有の効果ではなく、SGLT2阻害薬のクラスエフェクトだろう(SGLTの選択性による違いはあるかもしれないが)
・劇的な有効性を示した試験は鵜呑みにせず、複数のRCTで有効性が確認される事が重要である。

心原性脳梗塞の予測スコア ATRIA、CHADS2、CHA2DS2−VAScの比較

Comparative Performance of ATRIA, CHADS2, and CHA2DS2-VASc Risk Scores Predicting Stroke in Patients With Atrial Fibrillation: Results From a National Primary Care Database.
J Am Coll Cardiol. 2015 Oct 27;66(17):1851-9.

《要約》
背景
以前の報告では、CHADS2スコア、CHA2DS2−VAScスコアの識別能力は同程度である(C統計量〜0.6)。ATRIA(Anticoagulation and Risk Factors in Atrial Fibrillation)試験リスクスコアという、最近の臨床に基づいたリスクスコアが制作され、妥当性が認められている。

目標
この研究は、CHADS2、CHA2DS2−VASc、ATRIAの心房細動の抗凝固療法としての予測力とその効果を比較する。

方法
1998−2012年のthe Clinical Practice Research Datalink databaseから、ワルファリンを使用していない心房細動患者を組み入れた。患者は心房細動の診断から、虚血性脳梗塞の発生、ワルファリンの処方、死亡、研究の終了まで追跡された。虚血性脳梗塞の独立した予測因子を特定し、c−indexとnet reclassification improvementを算出する。

結果
心房細動60594例を組み入れた。脳梗塞の年間発症率は2.99%であった。中〜高リスクのイベント発生率は、CHA2DS2−VAScがATRIAやCHADS2より低かった。年齢と脳梗塞の既往が最も強力な脳梗塞の予測因子だった。C統計量はATRIAが0.70(95%CI:0.69−0.71)、CHADS2が0.68(95%CI:0.67−0.69)、CHA2DS2−VAScが0.68(95%CI:0.67−0.69)であった。ATRIAのCHA2DS2−VAScと比べたnet reclassification improvementは0.23(95%CI:0.22−0.25)であった。

結論
U.K.Clinical Practice Research Datalink AF cohortでは、ATRIAスコアはよくよく機能していた。CHA2DS2−VAScスコアでは高リスクに分類されていた患者を、より正確に低リスクに分類できていた。このような脳梗塞リスクの再分類は脳梗塞リスクが極めて低い患者への抗凝固薬の過剰投与を防ぐかもしれない。

◯論文のPECOはなにか
P:ワルファリンを投与していない心房細動
E/O:経過観察
O:虚血性脳梗塞(原因不明の脳梗塞を含む)

inclusion criteria:18歳以上
exclusion criteria:リウマチ性僧帽弁狭窄症、人工弁

ATRIAスコア
ATRIA

◯結果
地域:イギリス
デザイン:データベース(the Clinical Practice Research Datalink database)を用いた後ろ向きコホート研究
登録期間:1998年〜2012年
症例数:60594例
outcome観察者のmasking:Outcomeへの影響なし

propotion

event rate

◯感想/批判的吟味
CHA2DS2−VAScは0:low risk、1:moderate risk、2以上:high riskに分類され、1点以上で抗凝固療法が勧められているが、ATRIAでは意外とlow riskが多い。脳梗塞既往がなく65歳以下であれば、女性・糖尿病・心不全・高血圧・蛋白尿・eGFR<45のうち、リスクが2つ以下であればlow riskとなる。

そのような患者群では、抗凝固は行うべきではないのかもしれない。

高齢者の非ST上昇急性冠症候群に対する治療戦略

Early aggressive versus initially conservative treatment in elderly patients with non-ST-segment elevation acute coronary syndrome: a randomized controlled trial.
JACC Cardiovasc Interv. 2012 Sep;5(9):906-16

《要約》
目標
高齢者の非ST上昇型急性冠症候群(NSTEACS)に対する早期積極的アプローチのリスクとベネフィットを検証すること。

背景
高齢者を対象に、NSTEACSの治療戦略を比較した臨床試験はほとんどない。

方法
発症48時間以内の75歳以上のNSTEACS313例(平均82歳)を早期積極的治療戦略(72時間以内に冠動脈造影を行い、適応があれば血行再建を行う)と保存的治療戦略(再発性虚血のみ冠動脈造影と血行再建を行う)に無作為に割り付けた。主要評価項目は、死亡、心筋梗塞、脳梗塞、心血管イベントや重大な出血のため繰り返す入院の複合エンドポイントである。

結果
早期積極的治療戦略(EA)群の88%が冠動脈造影検査を行い(55%が血行再建を行った)、保存的治療(IC)群では29%が冠動脈造影検査を行った(23%が血行再建を行った)。主要評価項目は、EA群では43例(27.9%)に、IC群では55例(34.6%)に認められた(HR:0.80, 95%CI:0.53−1.19)。死亡率(HR:0.87, 95%CI:0.49-1.56)、心筋梗塞(HR:0.67, 95%CI:0.33-1.36)、繰り返す入院(HR:0.81, 95%CI:0.45-1.46)に群間差はなかった。入院時にトロポニンの上昇を認めた症例では、早期積極的治療戦略により主要評価項目が減少した。

結論
この試験では、高齢者のNSTEACSに対する早期積極的治療戦略のベネフィットについて、明確な結論は出なかった。入院時にトロポニンが上昇している症例に対する治療効果は、大規模な試験で確かめられるべきである。

◯この論文のPICOはなにか
P:75歳以上の非ST上昇急性冠症候群
I:早期積極的治療戦略(early aggressive:EA群)
C:保存的治療(initially conservative:IC群)
O:死亡、心筋梗塞、脳梗塞、心血管イベントや重大な出血のため繰り返す入院の複合エンドポイント

inclusion criteria:安静時胸痛出現後48時間以内、心電図変化と/またはトロポインかCK−MBの上昇
exclusion criteria:二次性の心筋虚血、心不全、30日以内のPCI/CABG・脳血管イベント、Cr>2.5mg/dl、最近の輸血、6週間以内の消化管出血・血尿、血小板<9万/μl、抗凝固療法、重症閉塞性肺疾患、悪性腫瘍

早期積極的治療戦略
72時間以内に冠動脈造影検査(CAG)を行い、冠動脈病変・患者の希望・術者の技量に応じてPCIもしくはCABGを行う。
保存的治療戦略
薬物療法を行う。難治性虚血、心筋梗塞、虚血による心不全、悪性心室性不整脈を認めた場合にはCAGを行う。

◯baselineは同等か
同等。
characteristics

◯結果
地域:イタリア
登録期間:2008年1月〜2010年3月
観察期間:12ヶ月
無作為化:コンピュータによる割り付け
盲検化:試験の性質上、盲検化できない
必要症例数:504例(6ヶ月時点での主要評価項目がIC群で30%、EA群で20%、power80%、αlevel0.05)としていたが、予想よりも症例登録が遅かったため、12ヶ月時点でIC群40%、EA群25%に修正し、必要症例数を313例と算出した。
症例数:313例(EA群:154例、IC群:159例)
解析:ITT解析
スポンサー:企業の関与なし

EA群で136例(88.3%)、IC群で46例(28.9%)にCAGが行われた。
EA群で85例(55%、PCI76例、CABG9例)、IC群で37例(23%、PCI36例、CABG1例)

result

◯感想/批判的吟味
・After Eighty試験が行われる前の高齢者のNSTEACSを対象にした唯一のRCT。
・心電図変化、トロポニン上昇がいずれも60%ぐらいで、両方とも認めるのは40%ほどで、NSTEMIでない症例も結構含まれてそう。
・IC群の1/4でCAG・PCIがやらている。EA群でCAGが行われたのは90%弱で、かつ血行再建まで行われたの約半分。高齢者のNSTEACSに血行再建を行うことの有用性を検証するには、クロスオーバーが多いように思う(もちろん、そこにはクロスオーバーしてしまう理由はあるのだが)。
・必要症例数に達せず、パワー不足である。

非心臓手術1年後の死亡率とフレイルティ

Association of Frailty and 1-Year Postoperative Mortality Following Major Elective Noncardiac Surgery: A Population-Based Cohort Study.
JAMA Surg. 2016 Jan 20. [Epub ahead of print]

《要約》
重要性
単施設研究でフレイルティは術後30日以内の死亡率のリスク因子であると確認された。フレイルティの術後死亡率への、長期間あるいは集団レベルの影響については明らかではない。

目標
術後1年以内の死亡率に対する、フレイルティの影響とその関連を測定すること。

デザイン・セッティング・参加者
オンタリオ(カナダ)の後ろ向き、集団ベースのコホート研究である。2002年4月1日から2012年3月31日までのデータを収集した。2014年12月から2015年3月に解析を行った。対象は、待機的な非心臓手術の大手術を行った65歳以上の地域住民である。

暴露
the Johns Hopkins Adjusted Clinical Group(ACG) frailty-defining diagnoses indicatorによって定義されたフレイルティ。

主要評価項目
手術後1年以内の死亡率。

結果
202811例のうち6289例(3.1%)がフレイルであった(平均年齢77±7歳)。術後1年以内にフレイル群では13.6%が、ノンフレイル群では4.8%が死亡した。社会人口統計学的交絡因子と外科的な交絡因子の調整後は、ハザード比2.23(95%CI:2.08−2.40)であった。フレイルティは術後3日の死亡率を増加させた(HR35.58, 95%CI:29.78-40.19)。フレイルティと死亡リスクの関連は、高齢になると薄まる(60歳=HR:2.66, 95%CI:2.28-3.10, 90歳=HR:1.63、95%CI:1.36−1.95)。フレイル群では死亡率は外科手術の種類によって異なり、関節形成術で最も死亡リスクが高かった(股関節置換術=HR:3.79、95%CI:3.21−4.47、膝関節置換術=HR2.68、95%CI:2.10−3.42)。

結論
集団レベルでは、術前のフレイルティは手術後1年以内の死亡率と関連していた。特に、術後早期、若年、関節形成術で顕著であった。

◯論文のPECOはなにか
P:65歳以上の待機的非心臓手術
E:フレイルな患者(フレイル群)
C:フレイルでない患者(ノンフレイル群)
O:術後1年以内の死亡率

inclusion criteria:以下の手術(頸動脈内膜剥離術、末梢動脈バイパス術、股関節置換術、膝関節置換術、大腸手術、肝部分切除、膵十二指腸切除、胃切除術、食道切除術、腎摘出術、膀胱摘出術)

フレイルティの定義
frailty
(The Johns Hopkins ACG® System Technical Reference Guide version9.0より引用)
フレイルティの診断のゴールドスタンダードはないらしく、よく用いられるのはVulnerable Elderly Survey(VES)というものらしい。このACG frailty-defining diagnoses indicatorはVESスコアとよく相関するらしい。

◯結果
デザイン:後ろ向きコホート研究
登録期間:2002年4月1日〜2012年3月31日
フォローアップ期間:術後1年間
地域:カナダ、オンタリオ
症例数:6289例
交絡因子の調整:Cox比例ハザードモデル

術後1年以内の死亡率 adjusted HR:2.23(95%CI:2.08−2.40)

◯感想/批判的吟味
フレイルであれば、術後の死亡率が高くなるのは感覚的にわかる。ただ、フレイルという様々な社会的・身体的・精神敵な要因が絡んだものと死亡率との関連をみたもので、かつ後ろ向きでもあるので、交絡因子の調整はかなり難しいのではないかと思う。

フレイルティの診断基準が明確ではないが、Friedらの診断基準がよく用いられている。それは以下の5つのうち、3つ以上を満たす場合、フレイルと診断される。①体重減少(過去1年間に予期しない4.5kg以上の体重減少)、②主観的疲労感、③日常生活活動量の減少、④身体能力(歩行速度)の減弱、⑤筋力(握力)の低下

体重減少はよいが、ほかの項目をチェックするのは煩雑で、実臨床での応用には難しいように思う。

EXAMINATION試験(5年間の長期成績)のCOMMENT

Long-term EXAMINATION of drug-eluting stents in acute myocardial infarction
Lancet.2016;387:316–318

無作為化試験、メタ解析、ガイドラインなどでは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に薬剤溶出性ステント(DES)を使用することを支持している。第2世代DESは、第1世代に比べストラットは薄く、生体適合性が増し、耐久性あるいは生分解性ポリマーは薄くなった。安定狭心症では、第2世代DESはベアメタルステント(BMS)より有効で安全であることが、臨床試験の長期成績で示されているが、遅発性ステント血栓症や超遅発性ステント血栓症の問題があるSTEMIでは第2世代の長期成績は乏しい。

EXAMINATION試験の1年でのデータでは、エベロリムス溶出性ステント(EES)はBMSと比較し、primary endpoint(死亡、心筋梗塞、再血行再建の複合エンドポイント)を減少させなかった。対照群でイベント発生数が少なかったためにパワー不足であった。3年で有意差がつき、5年でもEESの使用は支持された。

late-catch-up現象が抑えられたため、標的病変再血行再建(TLR)は12ヶ月以降もEESで少なかった。それとは対照的に、1年時には有意に抑制されていたステント血栓症が、5年時には有意差が消失していた。

EXAMINATION試験では、EES群で心筋梗塞の再発が多かったが(3.7%vs 1.8%, P=0.04)、死亡は少なかった(5.5% vs 8.8%, P=0.01)。心筋梗塞の再発は非責任血管によるものであり、したがってデバイスによるものではなかった。死亡率が低下したメカニズムはわからない。研究者は早期のステント血栓症が左室機能低下を招いたことを挙げているが、心臓死は両群間で差はなく(3.3% vs 4.9%, P=0.11)、全死亡の減少は非心臓死に起因していた(1.9% vs 3.8%, P=0.03)。

非心臓死の解析では、悪性腫瘍関連死と敗血症関連死がBMS群で多かった。試験開始時の無症候性悪性腫瘍の偏りが与える影響は、以前の大規模臨床試験(DAPT試験)で報告されている。

統計学的パワー、非心臓死を現象させたメカニズムが不明であること、ステント血栓症や再血行再建は最初の1年で減少したものの心筋梗塞は5年間で増えていることなどから、EXAMINATION試験の長期成績を鵜呑みにすることはできない。

◯感想
EXAMINATION試験の5年間のフォローアップでは、死亡率が抑えられ、それは非心臓死によるものであるが、そのメカニズムは不明。DAPT試験がそうだったように、すでにbaselineで無症候性悪性腫瘍の群間の偏りがあった可能性があるし、おそらくそのような偶然の差ではないかと思う。

EXAMINATION試験では明らかではなかった部分があるようだが、第2世代DESでもlate catch upやLVSTの問題は解決していない。

PAC多発・PAC連発があり、かつCHA2DS2−VAScが高値なら、脳梗塞のリスクはAFと同等

Excessive Atrial Ectopy and Short Atrial Runs Increase the Risk of Stroke Beyond Incident Atrial Fibrillation.
J Am Coll Cardiol. 2015 Jul 21;66(3):232-41

《要約》
背景
虚血性脳梗塞の約30%は、原因がわからない。心房期外収縮(PAC)の増加は心房細動のリスクを増大させるが、PACが増加した患者の脳梗塞リスクは明らかではない。

目標
PACの多発やショートランが脳梗塞のリスクになるか検証した。

方法
コペンハーゲンホルター研究の15年間のフォローアップで、心血管疾患・脳梗塞・心房細動の既往がない55−75歳の患者678例が対象である。Excessive supraventricular ectopic activity(ESVEA)とは、1分間に30回以上のPAC、または20回以上のPACショートランと定義した。

結果
99例のESVEAを認めた。baselineのリスク因子で調整した後も、AFになった症例を除いた場合にはESVEAは虚血性脳梗塞と関連があった(HR1.96、 95%CI:1.10-3.49)。ESVEAを認め脳梗塞を発症した症例のうち、14.3%が脳梗塞の発症前にAFを認めた。ESVEAを認めCHA2DS2−VAScスコアが2点以上であった症例では、脳梗塞の発症率は2.4%/年であり、AFと同等のリスクであった。ESVEAは日による違いはなく一貫した所見であった。

結論
ESVEAは中高年において虚血性脳梗塞のリスクを増大させた。ESVEAを認める症例では、AFより先に脳梗塞を発症することが多い。

◯論文のPECOはなにか
P:55−75歳のコペンハーゲンの住民
E/C:48時間ホルター心電図検査にて、1分間に30回以上のPAC、またはPAC20回以上のショートラン
O:虚血性脳梗塞

inclusion criteria:心血管リスク因子・内服薬・既往歴などの質問票に答えた者、質問票のリスク因子を0−1有する者の60%、質問票のリスク因子を2つ以上有する者すべて
exclusion criteria:心房細動、発作性心房細動、虚血性心疾患、うっ血性心不全、弁膜症、先天性心疾患、今日師匠、脳梗塞、悪性腫瘍、その他生命を脅かす疾患

◯結果
デザイン:前向きコホート研究
登録期間:1998年4月〜2000年6月
フォローアップ期間:2013年までの最大15年
地域:コペンハーゲン(デンマーク)
症例数:678例
脱落:なし
outcome観察者のmasking:レジストリデータより抽出(maskingの有無は記載がないが、虚血性脳梗塞はCTもしくはMRIにて診断するため、影響は少ないだろう)
交絡因子の調整:Cox比例ハザードモデル

result

◯感想/批判的吟味
多発するPACはAFとも関連があるし、脳梗塞を起こす可能性も高くなる。ただ単に、AFがcuptureされていないだけかもしれないが、CHA2DS2−VAScスコア2点以上では、ESVEAはAFと同等の脳梗塞リスクがある。ただ、CHA2DS2−VAScが高いESVEAに抗凝固療法を行うかどうべきかは、さらなる検証が必要だろう。

超高齢者のNSTEMI/UAPに対する侵襲的治療戦略 After Eighty試験のCOMMENT

Management of acute coronary syndrome in the very elderly
Lancet 12 January 2016, online first

虚血性心疾患の中で、80歳以上の超高齢者が増えている。急性虚血性心疾患の中では、非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)が最も多い。ガイドラインではNSTE-ACSに対して侵襲的な治療戦略が勧められているが、80歳以上を対象にしたRCTは少ない。

高齢者の場合、併存疾患、認知機能低下、フレイルティ、ポリファーマシー、広範囲の虚血を引き起こす複雑な冠動脈病変を持っていることが多く、それらがNSTE-ACSに対する侵襲的治療戦略の有効性を弱め、合併症のリスクを増大させるかもしれない。

超高齢者のNSTE-ACSに対して、侵襲的治療戦略と保存的治療戦略を比較した唯一のRCTは、パワー不足であり全体的な有効性は示されなかったが、ベースラインでトロポニン上昇があったグループでは臨床的イベントが少なかった(JACC Cardiovasc Interv 2012; 5: 906–16.)。

80歳以上のNSTEMIとUAPを対象にしたAfter Eighty試験の結果がLancetに報告された。それは、侵襲的治療戦略を支持するものだった。主要評価項目は心筋梗塞、緊急血行再建の必要性、脳梗塞、死亡の複合エンドポイントで、冠動脈造影は平均して入院後3日で行われた。フォローアップ期間は1.53年(中央値)で、侵襲的治療戦略を取ったグループで、イベント数が低かった(40.6% vs 61.4%, HR:0.53, 95%CI:0.41-0.69)。NNTは4.8(3.4-8.5)であった。侵襲的治療戦略は心筋梗塞(HR:0.52, 95%CI:0.35-0.76)と緊急血行再建(HR:0.19, 95%CI:0.07-0.52)を有意に減少させたが、死亡についての有効性はなかった。それはサンプルサイズが小さいことや、PCI後の死亡の多くが非心臓死だからかもしれない。

After Eighty試験はハイリスクな患者特性であったにもかかわらず、臨床的に安定しており虚血が持続していないことが選択基準になっていた。それが参加者が少なくなった要因であり、この試験の結果は超高齢のNSTEMIやUAPの患者の多くに適応できないかもしれない。

After Eighty試験では、造影剤腎症や出血は以前の報告より多くなかった。

After Eighty試験は注目すべきエビデンスだが、高齢者の治療方針の決定には、生命予後、併存疾患、出血リスク、認知機能や身体機能、患者の意思などを加味して個別に判断すべきである。また、侵襲的治療戦略のQOL、再入院、コストなどについてのさらなる検証が必要である。

80歳以上の非ST上昇型心筋梗塞や不安定狭心症に対する侵襲的治療戦略 After Eighty試験

Invasive versus conservative strategy in patients aged 80 years or older with non-ST-elevation myocardial infarction or unstable angina pectoris (After Eighty study): an open-label randomised controlled trial
Lancet 12 January 2016, online first

《要約》
背景
非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)と不安定狭心症(UAP)は、しばしば高齢者の入院の原因になる。しかしながら、高齢者を対象とした臨床試験は十分でなく、高齢者はガイドラインに従ってこれらの治療を受けることは稀である。我々は、高齢者に対し早期の侵襲的治療戦略と保存的治療戦略の有効性を検証した。

方法
オープンラベル、無作為化、多施設共同研究である。ノルウェーの南東地域の16施設にNSTEMIまたはUAPで入院した80歳以上の患者を、侵襲的治療(PCI、CABG、薬物療法の判断のための早期の冠動脈造影)と保存的治療(至適薬物療法のみ)に無作為に割り付けた。主要評価項目は心筋梗塞、緊急血行再建、脳梗塞、死亡の複合エンドポイントで、2010年12月10日から2014年11月18日までで評価する。ITT解析を行った。

結果
2010年12月10日から2014年11月18日までに登録され1.53年(中央値)フォローアップされ、主要評価項目はinvasive群で93/229例(40.6%)、conservative群で140/228例(61.4%)であった(HR:0.53, 95%CI:0.41−0.69)。invasive群で5例、conservative群で1例の脱落があった。ハザード比は、心筋梗塞で0.53(95%CI:0.35−0.76)、緊急血行再建で0.19(95%CI:0.07−0.52)、脳梗塞で0.60(95%CI:0.25−1.46)、死亡で0.89(95%CI:0.62−1.28)であった。invasive群で大出血が4例(1.7%)、小出血が23例(10.0%)、conservative群で大出血が4例(1.8%)、小出血が16例(7.0%)であった。

結論
80歳以上のNSTEMI、UAPでは、侵襲的治療が保存的治療に比べ複合的なイベントの減少に優れている。高齢者では侵襲的治療の有効性は弱くなる。出血に関しては、2つの治療戦略で違いはない。

◯この論文のPICOはなにか
P:80歳以上のNSTEMI、UAP
I:早期冠動脈造影とそれに続くPCI・CABG・薬物療法(invastive群)
C:至適薬物療法(conservative群)
O:心筋梗塞、緊急血行再建(再梗塞、難治性狭心症、悪性の心室性不整脈、心不全増悪によるもの)、脳梗塞、死亡の複合エンドポイント

exclusion criteria:臨床的に不安定、心原性ショック、持続する出血、並存疾患により生命予後12ヶ月以内、重大な精神疾患、高度の認知症

◯baselineは同等か
同等かどうかの記載はない。
OMI・血行再建の既往(PCI/CABG)が40%、3/4がkillipⅠ度、EF50%と比較的心機能が保たれている方が半分、AFが20%、Cr1.1、血行再建を行ったのはinvasive群50%で90%が頭骨動脈アプローチ。
characteristics1characteristics2

◯結果
地域:ノルウェーの南東地域
登録期間:2010年12月10日〜2014年11月18日
観察期間:1.53年(中央値)
無作為化:ブロックランダム化、層別化、封筒法
盲検化:open-label
必要症例数:450例(conservative群で6ヶ月後に死亡と心筋梗塞が21%、50%の相対リスク低下、αlevel5%、power80%、脱落も考慮)
症例数:457例(invasive群:229例、conservative群:228例)
解析:ITT解析
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invastive群で冠動脈造影を行わなかったのは9例(4%)。
conservative群ではすべての症例で冠動脈造影を行っていない。

result

◯感想/批判的吟味
・観察期間は1年半と心血管イベントを評価するには短めだが、80歳以上の高齢者なのでそれぐらいの期間が妥当かもしれない。
・心筋梗塞や緊急血行再建は、conservative群で有意に多く、それで差がついている。
・死亡は両群で差はない。
・抗凝固療法はconservative群で少ないものの、抗血小板薬の使用率に差はなく、出血も同程度であった。

高齢者のSTEMIでも今までの観察研究からPCIの有効性が示されており、AHAガイドラインでも、高齢であるということだけでは緊急血行再建の禁忌にはならないと記載されている。このような高齢の患者では、様々な併存疾患があるため、年齢だけを理由に血行再建を行わない場合、その後の全身管理に難渋し入院期間が長くなってしまいがちである。また、それは退院後のQOL低下にもつながる。NSTEMIであっても、発症早期の冠動脈の評価を行い血行再建の必要性について検討する必要がある。

クロストリディウム・ディフィシル感染症の再発 冷凍vs新鮮糞便移植

Frozen vs Fresh Fecal Microbiota Transplantation and Clinical Resolution of Diarrhea in Patients With Recurrent Clostridium difficile Infection: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2016 Jan 12;315(2):142-9.

《要約》
重要性
クロストリディウム・ディフィシル感染症(CDI)は医療や社会環境で大きな負担である。CDIの再発は、治療法が限られており、臨床や感染コントロールの問題と関連するため、特に重要な問題である。糞便移植は有望であるが、すぐに入手可能ではない。

目標
再発性CDIや難治性CDIの患者において、冷凍糞便移植が新鮮糞便移植と比較し非劣性であるか、またいずれの方法も安全かどうかを検証すること。

デザイン、セッティング、参加者
2012年7月から2014年9月にカナダの6つの大学病院で、成人の再発性CDIと難治性CDI232例を対象に、無作為化二重盲検非劣性試験を行った。

介入
無作為に、冷凍糞便移植群(114例)と新鮮糞便移植群(118例)に割り付けた。

主要評価項目と測定
主要評価項目は13週間下痢の再発がないことと有害事象の発生である。非劣性マージンは15%とした。

結果
219例(冷凍群108例、新鮮群111例)がmodefied ITT解析に、178例(冷凍群91例、新鮮群87例)がper−protocol解析に含められた。per-protocol解析では、臨床的治癒は冷凍群で83.5%、新鮮群で85.1%であった(difference:-1.6%, 95%CI:-10.5% to ∞、P=0.01 for noninferiority)。mITT解析では、冷凍群で75.0%、新鮮群で70.3%であった(difference:4.7%, 95%CI:−5.2% to ∞、P<0.001 for noninferiority)。有害事象や重大な有害事象に群間差はなかった。

結論
成人の再発性CDIや難治性CDIにおいて、冷凍糞便移植は新鮮糞便移植と比較しても臨床的な下痢の治癒率を悪化させなかった。このような状況で、冷凍糞便移植はよい選択肢になる。

◯この論文のPICOはなにか
P:再発性CDI、難治性CDI
I:冷凍した糞便の移植(冷凍群)
C:新鮮な糞便の移植(新鮮群)
O:13週間以内の下痢に関連したCDIの再発がないこと、有害事象の発生

inclusion criteria:18歳以上
exclusion criteria:好中球減少症(500/μl未満)、末梢血白血球>30000/μl、中毒性巨大結腸症

CDIの定義
酵素免疫測定法によるC.difficile toxinの検出、C.difficile toxin B遺伝子をターゲットとしたポリメラーゼ連鎖反応、24時間以内に3回以上の下痢が48時間以上持続する状態

再発性CDIの定義
10日以上のCDI治療の終了後8週間以内に、CDIの症状が48時間以上持続すること。

難治性CDIの定義
CDIによる下痢の持続や悪化で、以下の所見が1つ以上あること:ongoingな腹痛があること、38.0℃以上の発熱、5日以上バンコマイシン500mgを1日4回投与しているにもかかわらず末梢血白血球15000/μl以上

重大な有害事象の定義
死亡、致死的イベント、新規の入院、入院の延長、通常の日常生活を送れない状態

手順
50mlの糞便を注腸投与する。4日以内に症状の改善がなければ、同じドナーから採取した糞便を割り付けられた方法で再度投与する。それでも効果がない場合には、再度糞便移植を行うか、抗菌薬を投与する。

◯baselineは同等か
同等。
characteristics

◯結果
地域:カナダの6施設
登録期間:2012年7月から2014年9月
観察期間:13週間
無作為化:コンピュータによって生成された乱数を用いる。ブロック化、層別化(年齢、市中・医療機関関連、再発回数)を行い無作為化する。
盲検化:治療介入者、患者は盲検化されている。
必要症例数:156例(primary endpointは新鮮群で85%、αlevel5%、power80%、非劣性マージン−15%)
症例数:232例(冷凍群:114例、新鮮群:118例)
解析:mITT解析とper−protocol解析

冷凍群114例のうち、4例が同意の撤回のため、2例が安全性の理由のため糞便移植を受けていない。
新鮮群118例のうち、3例が同意の撤回のため、4例が安全性の理由のため糞便移植を受けていない。

result
(tableはすべて本文から引用)

◯感想/批判的吟味
・mITT解析、per-protocol解析ともに非劣性を証明している。
・約80%の患者で再発がなく、非常に効果的な方法だと思う。
・現時点で臨床応用しようとした場合には、糞便の入手方法が問題になる。

大動脈解離stanfordBに対するTEVARの長期成績 INSTEAD−XL試験

Endovascular repair of type B aortic dissection: long-term results of the randomized investigation of stent grafts in aortic dissection trial.
Circ Cardiovasc Interv. 2013 Aug;6(4):407-16.

《要約》
背景
胸部大動脈ステントグラフト内挿術(TEVAR)は大動脈解離stanfordBに対する治療コンセプトである。合併症のない大動脈解離に対するTEVARの、長期のアウトカムや大動脈形態は明らかなではない。

方法・結果
以前、安定した急性大動脈解離stanfordB140例を、至適薬物療法+TEVAR群(72例)と至適薬物療法のみの群(68例)に無作為に割り付けた。それをランドマーク法を用いてレトロスペクティブに治療開始後2−5年の大動脈関連死・全死亡・病変の進行について解析した。両群間のアウトカムの比較にはCox回帰を用いた。すべてITT解析を行った。5年の時点での全死亡(11.1% vs 19.3%, P=0.13), 大動脈関連死(6.9% vs 19.3%, P=0.04), プログレッション(27.0% vs 46.1%, P=0.04)は、いずれもTEVAR群が薬物療法群よりも低かった。2−5年の間でのランドマーク解析では、全死亡(0% vs 16.9%, P=0.0003), 大動脈関連死(0% vs 16.9%, P=0.0005), 病変の進行(4.1% vs 28.1%, P=0.004)のいずれもTEVARが有益であった。ランドマークを1年や1ヶ月にしても、同様の結果であった。待機的TEVAR5年後の生存率や病変の進行の改善は、90.6%の症例で偽腔の血栓化と関連していた(P<0.0001)。

結果
大動脈解離stanfordBに対し至適薬物療法に加えTEVARを行うことで、5年間の大動脈関連死やプログレッションが減少した。安定した大動脈解離stanfordBでも解剖学的な適応があれば、遠隔期の予後を改善するためTEVARを考慮すべきである。

◯この論文のPICOはなにか
P:合併症のない大動脈解離stanfordB
I:至適薬物療法+TEVAR(TEVAR群)
C:至適薬物療法のみ(薬物療法群)
O:5年生存率、大動脈関連死、プログレッション

病変の進行の定義
TEVARへのクロスオーバー、開胸手術への変更、追加の血管内治療・開胸手術(大動脈破裂・灌流障害・大動脈拡大・最大径>5.5cmによるもの)

inclusion criteria:発症後2−52週
exclusion criteria:TEVARや開胸手術の適応(大動脈径6cm以上)、急性合併症の再発、解剖学的にTEVARが不適(75°以上の大動脈の捻れ、完全な偽腔血栓化)

◯baselineは同等か
同等。
characteristics

◯結果
地域:ドイツ、イタリア、フランスの7施設
登録期間:2003年11月から2005年11月
観察期間:69ヶ月(中央値、四分位範囲62−83ヶ月)
無作為化:コンピュータを用いた置換ブロック法
盲検化:治療介入者や患者は盲検化できない。アウトカム評価者は盲検化されている。
症例数:140例(TEVAR群72例、薬物療法群68例)
必要症例数:140例(薬物療法群の2年間の死亡率を20%、TEVARによるリスク減少が3−5%と仮定し、power80%、αlevel0.05として算出)
解析:ITT解析

TEVAR群 vs 薬物療法群
5年生存率:11.1%±3.7% vs 19.3±4.8%(P=0.13)
大動脈関連死:6.9±3.0% vs 19.3±4.8%(P=0.045)
プログレッション:27.0±5.3% vs 46.1±6.1%(P=0.04)

figure
(図表はすべて本文から引用)

ランドマーク解析は割愛する。

◯感想/批判的吟味
偽腔が開存したstanfordBに対しては、TEVARによって偽腔の血栓化が促進され、大動脈リモデリングが抑制される。短期的なアウトカムは薬物療法に劣っている傾向があるが、長期になると大動脈リモデリングを抑制する効果が現れてきているのだろう。