安定狭心症に対するニコランジルの予後改善効果 IONA試験

Effect of nicorandil on coronary events in patients with stable angina: the Impact Of Nicorandil in Angina (IONA) randomised trial
Lancet 2002;359:1269-75

〇この論文のPICOはなにか
P:狭心症
I:ニコランジル20mg分2で2週間内服し、その後40mg分2に増量(ニコランジル群)
C:プラセボ(プラセボ群)
O:心臓死、非致死的心筋梗塞、胸痛による予定外の入院の複合エンドポイント

Inclusion Criteria:男性なら45歳以上で女性なら55歳以上が対象。心筋梗塞か冠動脈バイパス術の既往があること、もしくは2年以内に施行された運動負荷検査で陽性であること。

〇baselineは同等か
Tableに示されていて、両群でだいたいパーセンテージは似通っているか、統計学的な群間差があるのか記載されていないのでわからない。ちなみに薬剤については特に指定されていないが、9割程度は抗血小板薬を内服していて、β遮断薬やスタチンは6割弱しか内服していない。

〇ランダム割付の方法や解析方法
コンピュータによる割付が行われている。ランダマイズされて患者すべての転帰がoutcomeに反映されている(ITT解析)。
必要症例数の算出は、プラセボ群でprimary endpointは13%起こり、ニコランジルによって20%のrisk reductionがあると仮定し、power80%、αlevel5%で、5000例と算出されている。ランダマイズされたのは50126例で、必要症例数を満たしている。

〇結果の評価
Primary endpointは、ニコランジル群で337例(13.1%)、プラセボ群で398例(15.5%)であった(hazard ratio 0.83, 95%CI:0.72-0.97)。ただ、primary endpointのうち、心臓死と非致死的心筋梗塞だけみると、ニコランジル群で107例(4.2%)、プラセボ群で134例(5.2%)であり、P=0.068と統計学的有意差はなかった。心臓死と非致死的心筋梗塞を抑えることと、胸痛による予定外の入院が同列に扱われ、primary endpointに含まれていることが問題だろう。