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GLP-1受容体作動薬エキセナチド 心筋梗塞・脳梗塞・心血管死の抑制効果なし

Effects of Once-Weekly Exenatide on Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2017 Sep 28;377(13):1228-1239

◇この論文のPICOはなにか
P:HbA1c6.5−10.0%の2型糖尿病
I:週1回のエキセナチド2mg皮下注
C:週1回のプラセボ皮下注
O:心血管死、心筋梗塞、脳梗塞

inclusion criteria:3剤までの経口血糖降下薬、2剤までの経口血糖降下薬とインスリンの併用
exclusion criteria:12ヶ月以内に2回以上の重症低血糖の既往、eGFR<30ml/min/1.73m2、甲状腺癌、MEN2

◇試験の概要
デザイン:DB-RCT(非劣性試験)
地域:35ヶ国、687施設
登録期間:2010年6月18日〜2015年9月16日
観察期間:3.2年(IQR2.2−4.4年)
必要症例数:記載なし、1360イベント必要(非劣性マージン1.3)
症例数:14752例(エキセナチド群7356例、プラセボ群7396例)
追跡率:98.8%
解析:ITT解析とPP解析
スポンサー:AstraZenecaの子会社のAmylin Pharmaceuticals

◇患者背景
characteristicsの表がない。

糖尿病罹患期間 12.0年(IQR7.0−18.0年)
HbA1c 8.0%(IQR7.3−8.9%)
心不全あり 16.2%

脂質治療薬とSGLT2阻害薬のみ群間差がある様。

◇結果

(本文から引用)

HbA1cは低下し・・・


(本文から引用)

体重は減少〜横ばいだが・・・


(本文から引用)

心血管イベントに対しては効果なし(非劣性)。

全死亡は減っている(ハザード比:0.86、95%CI:0.77−0.97)

primary endpointに差はないが、一応subgroupも確認。年齢のみでP for interaction<0.1。罹患期間・二次予防・CKDステージなどでは差がない。

◇感想
GLP-1受容体作動薬は、GLP-1を介した血管内皮機能改善効果、抗動脈硬化作用があるとされている。

残念ながら、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化疾患や、心血管死を抑制するまでの作用はないらしい。

デグルデクでもグラルギンでも、心血管イベントに有意差なし

Efficacy and Safety of Degludec versus Glargine in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2017 Aug 24;377(8):723-732

◇この論文のPICOはなにか
P:心血管疾患ハイリスクの2型糖尿病
I:デグルデク
C:グラルギン
O:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞

◇試験の概要
デザイン:RCT(非劣性試験)
地域:20ヶ国、438施設
登録期間:2013年11月〜2014年11月
観察期間:1.99年(中央値)
盲検化:二重盲検
必要症例数:7500例
症例数:7637例(デグルデク:3818例、グラルギン:3819例)
追跡率:99.9%
解析:ITT解析のみ(PP解析なし)、非劣性マージン1.3
スポンサー:企業の関与あり(Novo Nordisk社)

◇患者背景
表は本文にはなく、supplementary Appendixのみ。
両群間に差はない。
平均年齢65歳
糖尿病罹患歴14年(中央値)
84%はインスリン使用。
85%に冠動脈疾患もしくは中等度以上の腎機能障害あり。

◇結果

(本文から引用)

非劣性は証明された。


(本文から引用)

重症低血糖は、デグルデクで有意に少ない。
ARR1.7%、ハザード比0.60。

◇感想
デグルデク(トレシーバ)はグラルギンと比べ、MACE(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞)を増加させず、重症低血糖は抑制する。絶対リスク減少は約0.9%/年で、これを理由にグラルギンではなくトレシーバを選択すべきなのか、どうなのか。

グラルギンはすでに後発品が出ているから、集団での費用対効果を考えるならグラルギンを選択した方がいいような気もする。

CVD-REAL SGLT2阻害薬のリアルワールドデータ

EMPA-REG試験で、冠動脈疾患の既往がある患者を対象に、エンパグリフロジン(ジャディアンス)はプラセボと比較し、14%の心血管イベント(心臓死、心筋梗塞、脳梗塞)の抑制効果を認めた。また、心不全入院を35%、心臓死を38%低下させた(1)。

サブ解析では、心不全の既往のないサブグループでも、心不全入院、全死亡、心血管死の有意な低下が認められている(2)。

ジャディアンス以外のSGLT2阻害薬や、冠動脈疾患の既往がない患者でも、同様の効果があるかは明らかではない。

Lower Risk of Heart Failure and Death in Patients Initiated on SGLT-2 Inhibitors Versus Other Glucose-Lowering Drugs: The CVD-REAL Study.
Circulation. 2017 May 18. [Epub ahead of print]

◇論文のPICOはなにか
P:2型糖尿病
E:新規のSGLT2阻害薬の追加
C:新規の血糖降下薬(SGLT2阻害薬以外)の追加
O:心不全入院

6ヶ国のhealth recordを解析。

secondary endpointは、全死亡、心不全入院+全死亡(ドイツは死亡データがないため除外)。

観察期間は、新規の糖尿病薬が処方されてから、その治療の終了まで(on treatment解析)。

◇患者背景

(本文から引用)
プロペンシティスコアがマッチした集団。
87%で心筋梗塞や心不全の既往がない。IDDMが30%。
アウトカムに影響を与えうる薬剤であるチアゾリジンや利尿薬を含め、内服薬に差はない。

SGLT2阻害薬の内訳は、
○心不全入院
カナブリフロジン(カナグル) 53%
ダパグリフロジン(フォシーガ) 42%
エンパグリフロジン(ジャディアンス) 5%

○全死亡
カナブリフロジン(カナグル) 42%
ダパグリフロジン(フォシーガ) 51%
エンパグリフロジン(ジャディアンス) 7%

◇結果
○SGLT2阻害薬追加群
心不全入院:0.51/100人年
全死亡:0.87/100人年
心不全入院または全死亡:1.38/100人年

心不全入院(On Treatment解析)

(本文から引用)

心不全入院(ITT解析)

(本文から引用)

全死亡(On Treatment解析)

(本文から引用)

心不全入院、または全死亡(On Treatment解析)

(本文から引用)

◇感想
2型糖尿病で、経口血糖降下薬やインスリンなどそれなりに投与していて、かつ心血管疾患の既往がない人がほとんどという集団で、新規のSGLT2阻害薬の追加は、それ以外の血糖降下薬の追加と比べ、心不全入院と全死亡を低下させた。

心不全入院は39%、全死亡は49%のリスク減少。

心不全の発症率は、EMPA-REG試験のサブ解析とほとんど変わらず、全死亡はEMPA-REG試験が二次予防を対象にしているためか、あちらの方が2倍ぐらい多い。

このCVD-REALのデータは、EMPA-REG試験のデータがリアルワールドでも確認できたとか、ジャディアンスだけじゃなく、カナグルやフォシーガでも心血管イベント抑制効果が確認できた、と喧伝されそうです。

個人的には、全死亡が半分になるというのは、すごく出来すぎているように思うけど、発生頻度が少ないので処方していても実感はできそうにない。死亡率が半分になるというのは、それが事実なら夢のような薬。

心不全入院だけでなく全死亡も減らしているので、これは単なる利尿効果では説明がつかないので、他の要因(レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系を賦活させないとか、ケトンの産生などの説明を耳にするが)が関与していると考えればいいのか。

EMPA-REG試験で増加傾向だった脳梗塞がどうなのかとか、安全性のデータについては、この論文からはわからないので要注意。

(1)N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28.
(2)Eur Heart J. 2016 May 14;37(19):1526-34.

カナグリフロジン 心血管アウトカム

Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2017 Jun 12. [Epub ahead of print]

◇この論文のPICOはなにか
P:心血管疾患ハイリスクの2型糖尿病
I:カナグリフロジン100mg or 300mg
C:プラセボ
O:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞

inclusion criteria:HbA1c7.0−10.5%、心血管疾患の既往あり、ない場合はそれ相応のリスクがあること(糖尿病罹患歴10年以上、コントロール不良の高血圧、喫煙者、低HDL血症など)など

◇試験の概要
デザイン:RCT 非劣勢試験(非劣勢マージン1.3)
地域:30ヶ国、667施設
観察期間:126.1週(中央値)
盲検化:二重盲検
必要症例数:記載なし 688イベント発生するまで
症例数:10142例(カナグリフロジン5795例、プラセボ4347例)
追跡率:99.6%
解析:ITT解析
スポンサー:企業の関与あり(Janssen社)

◇患者背景

(本文から引用)

両群に差はない。
内服薬は不明。

◇結果

(本文から引用)

primary endpointとしては差がついてるが、心臓死、心筋梗塞、脳梗塞のぞれぞれでみるとどれも有意差はついていない。

アルブミン尿の抑制だとか、腎機能保護効果については、EMPA-REG試験と同じような感じ。


(本文から引用)

足趾と足の切断、骨折、男性器感染症、女性器真菌感染症は、カナグルで有意に多い。あと、光線過敏症が多い傾向。

◇感想
動脈硬化性の心血管疾患の既往、またはそれ相応のリスクがある2型糖尿病患者を対象とし、カナグリフロジンの心血管イベント抑制効果を検証したRCT。

結果としては、primary endpointである心臓死+心筋梗塞+脳梗塞は有意に減少したが、それぞれで見てみると、どれも有意な減少は認められなかった。EMPA-REG試験では、プラセボと比べエンパグリフロジンで脳梗塞が増加傾向にあったが、カナグリフロジンではその傾向は認められなかった。

primary endpointに対するNNT(1年)は218になる。今の薬価は205円なので、1630万円で1件イベントが減るが、下肢切断や感染症は増える。それをどう捉えるか。

自分は真菌感染とか診たことがないので、そもそもSGLT2阻害薬を使ってそういう副作用を起こされても困る。自分が対処しきれないことが起こりうる薬剤は処方しにくい。

RCTで有害事象まで調べることはできないので(primary endpointより発生率が低いからパワーが足りない)、これからコホート研究やメタ解析で明らかになっていくだろう。

2型糖尿病への早期介入とメトホルミンの重要性

2型糖尿病では、HbA1cの上昇は心血管疾患や死亡を増加と関連があり、HbA1cが1%上昇するごとに、心血管疾患の発症が18%増える(1)。

HbA1cを低下させることが微小血管障害の抑制に有効であるが、HbA1cを下げれば大血管障害を抑制できるかというと、必ずしもそうではない。UKPDSでは、発症早期の2型糖尿病に対し厳格な血糖コントロールを行うことで、全死亡を有意に減少させたが、ACCORD試験、VDAT試験、ADVANCE試験など他のRCTでは、厳格な血糖コントロールの有効性は示されなかった(2−5)。

UKPDSでは発症早期の2型糖尿病を対象としており、その他のRCTはそれよりも罹患期間が長かった。つまり、発症早期に厳格な血糖コントロールをすることで心血管イベントは抑えられるが、動脈硬化がある程度進行してしまった糖尿病では、厳格な血糖コントロールは心血管イベントの抑制に繋がらない。

また、厳格な血糖コントロールの効果は数年のスパンで行う介入研究では現れないが、介入研究終了後に血糖コントロールに差がなくなっても、10年単位のスパンでみると心血管イベントを抑制し始める。これは”metabolic memory”、”legacy effect”と呼ばれている。

罹患期間が長い症例、高齢者では重大な低血糖を起こすリスクが高く、厳格な血糖コントロールが、生命予後を悪化させる可能性があるため、注意を要する。

薬剤に関しては、RCTで全死亡を抑制させることができたものは2つ。メトホルミンとエンパグリフロジンで、メトホルミンは一次予防、エンパグリフロジンは主に二次予防を対象とした試験であった。

メトホルミンは、血糖効果作用(FGBが20%、HbA1cが1.5%低下)、体重増加や低血糖がないこと、忍容性の高さ、コストから2型糖尿病の第一選択薬として推奨されている。

メトホルミンは、肝臓からのグルコース放出を抑制したり、筋肉や肝臓へ作用しインスリンを介した糖の利用を高める効果がある。また、脂質への作用もあり、血中中性脂肪、遊離脂肪酸、LDLが低下し、ごくわずかだがHDLが上昇するという、副次的な効果がある。

日本人は、肥満によるインスリン抵抗性がメインの糖尿病ではなく、肥満のないインスリン分泌不全の糖尿病が多いためか、あるいは乳酸アシドーシスを忌避されてか、実臨床ではメトホルミンは第一選択になっていない。おそらく、DPP4阻害薬が経口血糖降下薬として一番処方されている薬剤だろう。

欧米人ほどインスリン抵抗性が高くないアジア人でもメトホルミンの有効性は確認されている。中国人の2型糖尿病304例を対象に、メトホルミンとSU薬に無作為に割り付けたSPREAD-DIMCAD試験(平均年齢63際、観察期間5年)で、HbA1c7.0%と両群で差を認めなかったが、メトホルミン群で心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞、冠動脈血行再建)の有意な低下を認めた。

また、多施設の入院データベースを利用したレトロスペクティブなデータではあるが、日本人でもSUと比べメトホルミンで有意に心血管イベント(狭心症、心筋梗塞、心不全、脳梗塞、頭蓋内出血)を抑制していた。そして、SUに対する優位性が示されたのはメトホルミンのみで、αGIやDPP-4阻害薬でもSUと差はなかった(7)。

メトホルミンと比べSUで心不全が増える理由としては、体重増加があげられる(8)。その点では、DPP-4阻害薬よりメトホルミンの方が望ましく、さらにHbA1c低下作用(これが心血管イベント抑制につながるとは言えないが)、コストの面ではメトホルミンに軍配があがる(9)。

メトホルミンを使用する上で注意すべき副作用として、もっとも多いのは消化器症状。金属の味がする、食欲低下、嘔気、腹部不快感、下痢など。これらの症状は軽度、一過性で、減量・中止により消失する。

メトホルミンはVitB12の吸収も抑えるため、5−10%で血清VitB12濃度の減少が見られるが、巨赤芽球性貧血はまれである。巨赤芽球性貧血に先行し末梢神経障害が起こることがあり、糖尿病性神経障害と誤診されることがある。

また、よく知られた副作用には、乳酸アシドーシスがある。症状は非特異的で、食欲不振、嘔気・嘔吐、腹痛、傾眠、過換気、低血圧である。血中乳酸値は重要ではない。高齢だからといって乳酸アシドーシスが増えるわけではなく、腎機能によるものでもない。腎機能障害があっても安全に使えるというデータもある。ただ、腎機能がどこまで悪いとだめなのかわからないが、すくなくともeGFR30以下はダメ。30−45は半分に減量が望ましい(10、11)。ただ、日本人でのデータはないので、添付文書には従った方が無難ではある。

■reference
(1)Ann Intern Med. 2004;141(6):421-31.
(2)Lancet. 1998 Sep 12;352(9131):854-65.
(3)Diabetes Care. 2014; 37: 634-43.
(4)N Engl J Med 2009; 360: 129-139.
(5)N Engl J Med 2008; 358: 2560-2572.
(6)Di­abetes Care 2013; 36: 1304-1311
(7)BMC Endocrine Disorders 2015, 15:49
(8)J Am Heart Assoc. 2017;6(4):e005379.
(9)Ann Intern Med. 2016;164(11):740-51
(10)Cochrane:Risk of fatal and nonfatal lactic acidosis with metformin use in type 2 diabetes mellitus
(11)Ann Intern Med. 2017;166(3):191-200.
UoToDate:Metformin in the treatment of adults with type 2 diabetes mellitus(last updated: Apr 06, 2017.)

EMPA-REG OUTCOME試験 エンパグリフロジンは腎症の進行を抑制する

Empagliflozin and Progression of Kidney Disease in Type 2 Diabetes
N Engl J Med 2016; 375:323-334

《要約》
背景
糖尿病は、心血管イベントと腎イベントのリスクを増加させる。EMPA-REG OUTCOME試験では、SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンが心血管イベントリスクが高い2型糖尿病の心血管イベントを減少させた。我々は、事前に明示したエンパグリフロジンの長期的な腎臓への影響を評価した。

方法
eGFR≧30ml/min/1.73m2の2型糖尿病患者を、エンパグリフロジン群(10mgと25mg)とプラセボ群に無作為に割り付けた。事前に明示した腎アウトカムは、腎症の進行(顕性アルブミン尿、血清Cr値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)とアルブミン尿の発生である。

結果
腎症の発生と増悪は、エンパグリフロジン群で525/4124例(12.7%)、プラセボ群で388/2061例(18.8%)だった(HR:0.61、95%CI:0.53−0.70)。血清Crの倍増は、エンパグリフロジン群で70/4645例(1.5%)、プラセボ群で60/2323例(2.6%)で、44%の有意な相対リスク低下を認めた。腎代替療法の導入は、エンパグリフロジン群で13/4687例(0.3%)、プラセボ群で14/2333例(0.6%)で55%の相対リスク低下を認めた。アルブミン尿の発生には有意な差はなかった。腎機能低下例でのエンパグリフロジンの安全性プロファイルは、試験全体と似通っていた。

結論
心血管リスクの高い2型糖尿病患者では、標準療法+エンパグリフロジンは、腎症の進行と臨床的に重要な腎イベントの低下と関連がある。

◇この論文のPICOはなにか
P:心血管疾患を有する2型糖尿病
I:エンパグリフロジン10mg/25mgの内服(エンパグリフロジン群)
C:プラセボの内服(プラセボ群)
O:腎症の進行(顕性アルブミン尿、血清Cr値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)とアルブミン尿の発生

◇baselineは同等か
同等。ACE阻害薬/ARB、利尿薬も差はない。

試験開始後、プラセボ群で利尿薬を開始した例が多い(37%vs27%)。これは腎障害進行の原因とも結果とも考えられる。

◇結果
mITT解析で結果は以下の通り。

◇感想
SGLT2阻害薬により尿糖の増加し尿浸透圧が上昇することと、近位尿細管でのNa再吸収の抑制による遠位尿細管(緻密班)でのNa濃度が上昇することで、緻密班を介しTGFが働き、糸球体内圧が低下し、糸球体過剰濾過が改善される。

また、SGLT2阻害薬により血中ケトン体濃度は上昇するが、ケトン体は1分子あたりのATP産生量はグルコースよりも大きいため、腎へのエネルギー供給が増加するために保護的に作用する。

遠位尿細管のCl濃度が低下することで緻密班を開始レニン分泌が促される。SGLT2阻害薬による遠位尿細管のCl濃度上昇は、レニン分泌に対し抑制的に働く。

SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)の腎保護作用については、さまざまな仮説がある。心不全イベントの減少、腎アウトカムの改善など有効性を示しているが、安全性についてはRCTでは判断できないし(プラセボと差はないといっているがパワー不足)、長期的な安全性についてのデータが待たれる。

EMPA-REG OUTCOME試験 アジア人(サブグループ解析)

Empagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Asian Patients With Type 2 Diabetes and Established Cardiovascular Disease - Results From EMPA-REG OUTCOME®.
Circ J. 2017 Jan 25;81(2):227-234.

《要約》
背景
EMPA-REG OUTCOME®︎試験では、心血管疾患を有する2型糖尿病患者に対し、標準的治療にエンパグリフロジンを追加することで、3-point MACE(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞)を14%、心血管死を38%、心不全入院を35%、全死亡を32%低下させた。我々は、アジア人におけるエンパグリフロジンの効果を調べた。

方法と結果
患者は、エンパグリフロジン10mg、エンパグリフロジン25mg、プラセボに無作為に割り付けられた。全体7020例のうち、1517例(21.6%)がアジア人であった。3-point MACEはエンパグリフロジン群で79/1006例(7.9%)、プラセボ群で58/511例(11.4%)、ハザード比0.68(95%CI:0.48−0.95)、人種による交互作用P=0.0872であり、アジア人での3-point MACEの減少は、試験全体と一貫していた。エンパグリフロジンのアジア人に対する効果は、MACE、全死亡、心不全アウトカムで、試験全体と一貫していた(人種による交互作用のP>0.05)。有害事象のプロファイルは、アジア人と全患者で似通っていた。

結論
心血管疾患を有するアジア人の2型糖尿病患者では、エンパグリフロジンの心血管アウトカムと死亡率に対する効果は、EMPA-REG OUTCOME試験全体の患者と一貫性があった。

◇この論文のPICOはなにか
P:心血管疾患を有する2型糖尿病のアジア人
I:エンパグリフロジン10mgもしくは25mgの内服(エンパグリフロジン群)
C:プラセボの内服(プラセボ群)
O:心臓死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞(3-point MACE)

◇患者背景


EMPA-REG OUTCOME試験全体との患者背景の違いは、糖尿病罹患期間が短く、インスリン使用が少ない、体重が軽い、多枝疾患が多い、利尿薬の使用が少ないという感じ。

エンパグリフロジン群とプラセボ群で群間差はない。

◇結果
エンパグリフロジン群 vs プラセボ群
・3-point MACE
7.9% vs 11.4% HR:0.68(95%CI:0.48−0.95)

・4-point MACE(3-point MACE+不安定狭心症による入院)
10.0% vs 13.5% HR:0.73(95%CI:0.54−1.00)

・心血管死
2.2% vs 4.9% HR:0.44(95%CI:0.25−0.78)

・致死的/非致死的脳梗塞
3.8% vs 3.9% HR:0.95(95%CI:0.55-1.64)

・致死的/非致死的心筋梗塞
2.9% vs 4.5% HR:0.62(95%CI:0.36−1.08)

・心不全入院
2.2% vs 3.1% HR:0.70(95%CI:0.37−1.33)

◇批判的吟味
・EMPA-REG OUTCOME試験全体では、Hb<8.5%、BMI<30で良いのではないかということが言われていた。しかし、アジア人のサブグループ解析ではサンプルサイズが小さいため、サブグープ解析による一貫性については調べられておらず、同様の傾向を示すかどうかはわからない。

・EMPA-REG OUTCOME試験全体では、3-point MACEのうち心血管死が有意に減少しており、それは心不全入院を減らした結果であった。アジア人でのサブグループ解析でも3−point MACEのうち心血管死が有意に減少しており、心不全入院を抑制する傾向があったため、心不全死を減らしているものと推測する(心不全入院で有意差が付いていないのはパワー不足と思われる)。

・EMPA-REG OUTCOME試験全体では、エンパグリフロジンで脳梗塞が増える傾向にあったが、アジア人ではその傾向は見られなかった。

・3-point MACEのNNTは29、心血管死のNNTは38。

◇感想
EMPA-REG OUTCOME試験では、心血管疾患を有する2型糖尿病患者で、エンパグリフロジンを投与することにより3-point MACEを有意に減少させた。エンパグリフロジンにより心不全入院、心不全死が抑えられたためと考えら、アジア人でのサブグループ解析でも同様の傾向が認められた。

他のSGLT2阻害薬でも心血管イベントをアウトカムとした試験が進行中のようで、この効果がドラッグエフェクトなのかクラスエフェクトなのか、はたまた違う方向に議論が進んでいくのか、期待して待ちたいと思います。

ていうか、EMPA-REG OUTCOMEって商標登録されていたんですね。悪用されるのを防ぐためなのでしょうか。

メトホルミンは、CKD、CHFでも全死亡と心不全入院を減少させる

Clinical Outcomes of Metformin Use in Populations With Chronic Kidney Disease, Congestive Heart Failure, or Chronic Liver Disease: A Systematic Review.
Ann Intern Med. 2017 Jan 3. [Epub ahead of print]

◇論文の概要
<背景>
メトホルミンの使用に関するFDAの警告の変化は、今まで禁忌あるいは慎重投与だった患者への処方を増やすかもしれない。処方する者は、これらの患者に対するメトホルミンの臨床的アウトカムを理解するべき。

<目的>
2型糖尿病で、中等度から高度の慢性腎臓病(CKD)、うっ血性心不全(CHF)、肝障害のある慢性肝臓病(CLD)の患者を対象とし、メトホルミンの臨床的アウトカムを統合すること。

<データ収集>
MEDLINE:1994年1月〜2016年9月
コクランライブラリー・EMBASE:1994年1月〜2015年11月

<研究の選択>
英語論文であり、以下の3つを満たすこと。
1)CKD(eGFR60未満)、CHF、CLDを合併した2型糖尿病を対象とした研究であること
2)メトホルミンを含んだレジメンと含まないレジメンの比較であること
3)全死亡、主要な心血管イベントをアウトカムにしていること

<データ抽出>
独立した2人のレビュアーが、情報の要約を行い、研究の質とエビデンスの強度を評価する。

<データの統合>
17の観察研究を質的・量的に統合すると、メトホルミンはCKD、CHF、CLDにおいて全死亡の減少と関連があった。また、CKD、CHFでは心不全入院の減少と関連があった。


CKDでは、HR:0.78(95%CI:0.63−0.96)と、メトホルミンにより全死亡が有意に低下している。ただし、I2統計量:79.8%と異質性は高い。


CHFについての対象となった観察研究のfunnel plotで、Egger’s test P=0.09と非対象ではない。CKDとCLDは、選択された研究の数が少ないため掲載されていない。


CHFでも、HR:0.78(95%CI:0.71−0.87)と、メトホルミンにより全死亡が有意に低下しているが、これもI2統計量:62.3%と異質性は高い。

<限界>
エビデンスの強度は低く、全死亡や心血管イベント以外のデータは十分でない。観察研究の統合であり、また観察期間は一定ではない。

<結論>
CKD、CHF、CLDにおいてメトホルミンの使用は、主要な臨床的アウトカムの改善と関連があった。我々のデータは、メトホルミン使用に関する最近の流れを支持するものである。

◇論文のPICOはなにか
P:CKD、CHF、CLDを合併した2型糖尿病
I:メトホルミンを含んだレジメン
C:メトホルミンを含まないレジメン
O:全死亡、主要な心血管イベント

◇批判的吟味
・CKD、CHF、肝障害を伴うCLDでもメトホルミンにより死亡率が低下しているが、異質性は高く結果の信頼性は低い。
・CKDやCHFの定義が試験により異なっており、重症度・患者背景の違いより異質性が高くなった可能性。
・メトホルミン投与量がわからない(どのれくらいの量が許容できるのかわからない)。

◇感想
メトホルミンは体重増加や低血糖の原因にならず、血糖降下作用を超えた死亡率の低下が示されている薬剤。しかし、乳酸アシドーシスの懸念から、CKD、CHF、CLDでは禁忌になっていました。最近になり、これらの疾患でも比較的安全に投与できるとして、処方は増えているみたい。

日本人は欧米人と異なり、インスリン分泌が低下しやすく、彼らほどインスリン抵抗性が高くありませんが、薬価・低血糖リスクなどを考慮して、個人的にはまずメトホルミンから処方することが多いです。心不全やeGFR30以上のCKDでも使えるということなので、循環器内科医としてはありがたいです。

SUSTAIN−6試験 セマグルチドの心血管イベント抑制効果

Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes
New Engl J Med. 2016 Sep 15. [Epub ahead of print]

《要約》
背景
GLP−1アナログであるセマグルチドの心血管への効果は不明である。

方法
2型糖尿病患者3297例を、セマグルチド(0.5または1mg)を週に1回投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞である。主要評価項目において、セマグルチドはプラセボに対し非劣性であると仮説を立てた。非劣性マージンは95%信頼区間の上限が1.8とした。

結果
ベースラインにおいて、2735例(83.0%)が心血管疾患(CAD)または慢性腎臓病(CKD)、もしくはその両方を有していた。主要評価項目は、セマグルチド群では108/1648例(6.6%)、プラセボ群では146/1649例(8.9%)であった(HR:0.74、95%CI:0.58−0.95)。非致死的心筋梗塞は、セマグルチド群では2.9%に、プラセボ群では3.9%に起こった(HR:0.74、95%CI:0.51−1.08)。非致死的脳梗塞は、それぞれ1.6%と2.7%であった(HR:0.61、95%CI:0.38−0.99)。心血管死は両群に差はなかった。新規の腎障害、または腎機能の悪化はセマグルチド群で有意に少なかったが、網膜症合併症(硝子体出血、失明、硝子体の治療、光凝固療法)はセマグルチド群で有意に多かった(HR:1.76、95%CI:1.11−2.78)。重大な有害事象はセマグルチド群で少なかったが、胃腸症状のため治療を中止した症例は多かった。

結論
心血管リスクの高い2型糖尿病では、セマグルチド群がプラセボ群に比べ、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞の発生が有意に低く、セマグルチドの非劣性が証明された。

◯この論文のPICOはなにか
P:HbA1c7.0%以上の2型糖尿病
I:週1回、セマグルチド(0.5mgまたは1mg)の皮下注(セマグルチド群)
C:プラセボの皮下注(プラセボ群)
O:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞

inclusion criteria:経口血糖降下薬1剤以下の患者、持効型インスリンもしくはミックスを使用している患者、50歳以上、心血管疾患の既往(冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患)、慢性心不全(NYHAⅡまたはⅢ)、CKD(stage3以上)または60歳以上で心血管リスクを1つ以上有する患者

exclusion criteria:過去30日以内のDPP4阻害薬の使用、90日以内のGLP−1受容体作動薬、もしくはインスリン(持効型、ミックス以外)の使用、冠動脈・内頚動脈・末梢血管の血行再建が予定されている患者、長期の血液透析

◯baselineは同等か
characteristics
糖尿病の罹患期間のみ、有意にセマグルチド群で多い。
経口血糖降下薬・ACE阻害薬/ARB、脂質降下薬、抗血小板薬に群間差はないらしい。

◯結果
地域:20カ国、230施設
登録期間:2013年2月〜2013年12月
観察期間:2.1年
無作為化:罹患している心血管疾患、インスリンの使用の有無、eGFRで層別化し、無作為化を行う(無作為化の方法については記載がない)
盲検化:患者、治療介入者、アウトカム評価者、解析者、すべてが盲検化されている
必要症例数:3260例(両群ともに主要評価項目の発生は1.98%/年、ドロップアウト10%未満、平均観察期間2.1年、非劣性マージン1.80、αlevel0.05、power90%として算出)
症例数:3297例(セマグルチド群1648例、プラセボ群1649例)
追跡率:3232例(98.0%)
解析:ITT解析
スポンサー:ノボノルディスクから資金提供。データ収集や解析にも関与している。

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◯感想/批判的吟味
セマグルチドにより複合エンドポイント(心血管死、、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞)が有意に減少している。しかし、その中で有意差があるのは非致死的脳梗塞のみで、非致死的心筋梗塞は少ない傾向にあるが有意差はなく、心血管死については両群でほぼ同じ。有意差がついている非致死的脳梗塞に限って言えば、NNTは2.1年間で91になる。

カプランマイヤーをみると、最初から徐々に差がついていっている。HbA1c8.5から7.5に、体重は92kgから4−5kg減って、収縮期血圧は132mmHgから2−3mmHg低くなってはいるが、それらによる動脈硬化の進展抑制としては効果のタイミングが早すぎる。セマグルチドには、動脈硬化の進展抑制によらない作用があるのか。

盲検化試験といってもHbA1cと体重をみれば、どちらの群に割り付けられているか察しがつきそう。ただ、エンドポイントはソフトではないので、そこにバイアスは入らないだろう。ただ、本文には非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞の定義は書かれておらず、Supplementally appendix の中にも見当たらなかった。もし、不安定狭心症やTIAなども含まれていたとすると、そこにバイアスがかかる余地が十分ある。

硝子体出血とか失明とか網膜への影響があることも、気に留めておく必要がある。

LEADER試験 リラグルチド(ビクトーザ®)の心血管イベント一次予防効果

Liraglutide and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2016 Jun 13. [Epub ahead of print]

《要約》
背景
2型糖尿病患者に対する標準治療に、GLP−1アナログであるリラグルチドを加えることの心血管への効果は明らかではない。

方法
高い心血管リスクを有する2型糖尿病患者を、リラグルチドまたはプラセボを内服する群に無作為に割り付け、二重盲検試験を行った。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞のいずれかの初回の発生である(time-to-event analysis)。主要な仮説は、リラグルチドのプラセボに対する非劣勢で、非劣勢マージンは1.30(95%信頼区間の上限)である。

結果
9340例を無作為化した。フォローアップ期間の中央値は3.8年である。主要評価項目はプラセボ群(694/4672例、14.9%)よりリラグルチド群(609/4668例、13.0%)で有意に少なかった(HR:0.87、95%CI:0.78−0.97、P=0.01 for superiority)。心血管死はプラセボ群(278例、6.0%)よりリラグルチド群(219例、4.7%)で有意に少なかった(HR:0.85、95%CI:0.66−0.93)。全死亡はプラセボ群(447例、9.6%)よりリラグルチド群(381例、8.2%)で有意に少なかった(HR:0.85、95%CI:0.74−0.97)。非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞、心不全による入院は、リラグルチド群はプラセボ群より有意に低くはなかった。リラグルチド中止に至る有害事象の中で最も多かったのは、胃腸症状である。リラグルチド群の膵炎の発生は、プラセボ群より有意に少なくはなかった。

結論
2型糖尿病において、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞の初回の発生率(time-to-event analysis)は、プラセボ群よりリラグルチド群で有意に低かった。

◯この論文のPICOはなにか
P:HbA1c7.0%以上の2型糖尿病
I:リラグルチド1.8mgの皮下注(リラグルチド群)
C:プラセボの皮下注(プラセボ群)
O:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞の複合エンドポイント

inclusion criteria:いままで経口血糖降下薬とインスリンの治療を受けていないこと、50歳以上でひとつ以上の心血管疾患を有すること(冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、ステージ3以上のCKD、NYHAⅡ-Ⅲの心不全)、60歳以上でひとつ以上の心血管リスクを有すること(微量アルブミン尿、蛋白尿、左室肥大
、左室収縮障害または左室拡張障害、ABI<0.9)
exclusion criteria:1型糖尿病、GLP−1受容体作動薬・DPP−4阻害薬・プラムリンチド・即効型インスリンの使用、MEN2型または甲状腺髄様癌の既往や家族歴、14日以内の冠動脈イベントまたは脳血管イベント

◯baselineは同等か
同等。薬剤に関しては、β遮断薬が有意にリラグルチド群で多く、有意ではないが抗血小板薬もリラグルチド群で多い(P=0.06)。ACE阻害薬、ARB、利尿薬、スタチン、経口血糖降下薬は両群間で差はない。
characteristics

◯結果
地域:32ヶ国、410施設
登録期間:2010年9月〜2012年4月
観察期間:3.8年(中央値)
無作為化:層別化の上、無作為化を施行
盲検化:二重盲検
必要症例数:8754例(両群1.8%のアウトカム発生率、治療の中断10%、非劣勢マージン1.30、power90%、αlevel0.05)
症例数:9340例(リラグルチド群4668例、プラセボ群4672例)
追跡率:96.8%
解析:ITT解析、per protocol解析ともに行われてる
スポンサー:企業の関与あり(試験デザイン、データ収集、解析に関与している)

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◯感想/批判的吟味
エンパグリフロジンに続き、リラグルチドも心血管イベントを改善させるという驚きの結果だった。エンパグリフロジンでは利尿効果によると思われる心不全の発症を減らしていたが、リラグルチドでは非致死的心筋梗塞が減少していることから動脈硬化イベントが心血管死の減少につながったと考えられる。

同じGLP−1受容体作動薬であるリキセナチドを用いて心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、脳梗塞、不安定狭心症による入院)を評価したELIXA試験では、リキセナチドの優越性は証明されなかったことはどのように考えたらよいのだろうか。ELIXA試験は二次予防だったので、一次予防症例が多いLEADER試験(OMIは30%)の方がリスクが低い患者を対象にしているはずなのだが。

心血管イベントの抑制は、GLP−1受容体作動薬のクラスエフェクトではなく、リラグルチドのドラッグエフェクトなのだろうか。

EMPA-REG試験同様、劇的な結果を出したRCTは鵜呑みにせず、今後出てくるデータを確認していきたい。